醤油のお話

ごきげんようスマイリー平野です。

いつも笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

朝夕の冷え込みが日に日に厳しくなって、いよいよ師も走る多忙な12月になりますね。今年も世相を漢字一字で表す「今年の漢字」の応募を受付中です。今年は、間違いなく新型コロナウイルス関連の一字になると思います。過去のデーターでは、オリンピックの開催された年は、3度も「金」という字が選ばれました。東京オリンピックが開催されていれば「金」になっていたかも知れませんが、何といっても今年は、「密」の字だと思います。インターネットでも投票でもできます。是非、一票を投じてみてはいかがでしょうか。

 さて、「漬け物」「味噌」「お酢」と続けて日本の発酵食品を話題にアップしました。今週も引続いて発酵食品(調味料)のお話です。日本の味を代表する「醤油」についてです。

 外国の空港に降り立つと、その国独特の香りがすると言われています。日本の場合は、「醤油の香りがする」という外国人から言われているそうです。因みに、「佐々木蔵之介」「小栗旬」「向井理」のようにすっきりとして癖のない涼しげな顔を「しょうゆ顔」と表現するそうです。また、最近は、しょうゆ顔やソース顔の他に、塩顔・砂糖顔・マヨネーズ顔・ケチャップ顔まであるそうです。

 醤油のルーツは、その名が示す通り中国に伝わる「醤」(ジャン)と考えられています。

「醤」の文字は「ひしお」という訓読みがあることから同様の発酵食品が存在していたとも考えられています。

 醤油は、蒸煮した大豆と麦に麹菌を生育させた麹に濃厚な食塩水を加えて長期間発酵と熟成させた発酵調味料で、日本料理の基本的な調味料です。英語ではSoy sauce(ソイ ソース)とよばれ、100ヵ国以上に輸出されている日本の味です。肉料理と相性が良いことから、1970年代にアメリカで醤油が流行し、バーベキューなどで醤油ベースのテリヤキソースが人気となって「teriyaki」が英単語として辞書に載っています。当然ですが、日本文化とも関わりをもっており、夏の終わりに収穫した穀類や豆を使って仕込みが行われることから、歳時記では「醤油造る」は晩夏の季語にもされています。

 醤油は、大豆に含まれていたタンパク質がほぼ完全にアミノ酸に分解されています。個々のアミノ酸はさまざまな味を持ち、旨味を主体としたコクのある味わいを豊かにしています。さらに、醤油の塩分と麹菌に由来する香気成分が含まれています。そしてさらに、加熱をすると発酵中にできたアルコール分が作用して、あの香ばしいクッキング・フレーバー(加熱香気)鼻からも美味しさを伝えてくれます。

 最近、醤油に含まれる塩分が問題になっています。海水の塩分は約3%ですが、醤油には16~18%の塩分が含まれています。口に含んでも海水ほど塩辛く感じないのは、アミノ酸などの旨味成分が作用しているからです。

醤油の種類(日本各地の嗜好や風土により個性豊かな醤油をJAS(日本農林規格)で5つに分類しています)

◎濃口醤油    全国的に生産されており、全国生産量の約83.8%を占めています。

(こいくち)   原材料は、大豆と小麦をほぼ同量使用しています。

         特徴は、塩味を他に、深い旨味、まろやかな甘味、さわやかな酸味、

         味をひきしめる苦味を持っており、幅広く使える万能調味料です。

◎淡口醤油    西日本で多く全国でも生産されており、全国生産量の約12.8%です。

(うすくち)   原材料は、大豆と小麦がほぼ同量で少量の米を使用しています。そして

         味をまろやかにするため少量の甘酒を加えています。

         特徴は、色がうすいことと塩分が濃口より1割ほど高めなことです。

         素材の持ち味を活かす、炊き合わせ・煮物・吸い物に最適です。関西の

         料理には欠かせない調味料です。

◎溜り醤油    主に愛知県・三重県・岐阜県の東海地方で生産され、全国生産量の約

         1.5%を占めています。

         原材料は、大豆のみですが少量の小麦を加える場合もあります。

         特徴は、とろみと濃厚なうま味、独特な香りです。「刺身たまり」と

         呼ばれるように、卓上用に使われるほかに、色つやよく仕上げたい加工

         食品にも使われています。

◎再仕込み醤油  主に中国・九州で生産され、全国生産量の約1.0%を占めています。

         原材料は濃口醤油と同様の麹を生醤油で仕込みます。

         特徴は、出来上がった生醤油に再び麹を加えて仕込むため、色・味・

         香りとも濃厚で甘味があり「甘露醤油」とも言われています。刺身など

         のつけ醤油として使われます。

◎白醤油     主に愛知県碧南地方で生産され、全国生産量の約0.9%を占めています。

         原材料は、精白した小麦で、皮を除いた少量の大豆を使用しています。

         特徴は、淡口よりもさらにうすい琥珀色をしています。熟成期間が短く

         味は淡泊ながら甘味が強く、独特の香りがあります。吸い物や茶わん

         蒸しなどに使われます。

調理に欠かせない調味料ですが、高血圧や心臓病の予防には塩分を控えることが必要です。厚生労働省は1日あたりの塩分摂取量の目標値を男性が8%、女性が7%と設定しています。新技術を応用した減塩醤油や血圧を下げる醤油が開発されています。身体に合った適量の塩分の摂取を心がけ上手に活用することが肝要です。

新型コロナウイルス感染症が拡がっています。3密をさけ感染を拡げないための自覚と対応で新年を迎える準備をしましょう。

 それでは、ごきげんようさようなら。