もっと詳しく! アレルゲン28品目の豆知識 (特定78品目編)
食物アレルギーの原因食物について、知っておきたい知識をまとめました。
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卵
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乳
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小麦
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そば
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落花生
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えび・かに
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卵
◎鶏卵アレルギーが1番多い
鶏卵は、食物アレルギーの原因の中で1番多い食品です
◎卵白に気をつけよう
アレルギーの多くは卵白のたんぱく質が原因。卵黄から除去解除できる場合が多い
◎同じ卵でも、魚の卵は食べられる
鶏卵と魚(いくら、かずのこ、たらこ、キャビアなど)卵は原因たんぱく質が異なるため、基本的に除去する必要はありません
◎鶏肉も食べられる
鶏肉は、鶏卵アレルギーの原因にはならないので避ける必要はありません
◎加熱すると食べられることも
鶏卵は加熱によってアレルギーを起こす力が弱くなります
◎生卵、半熟卵には注意が必要
マヨネーズやアイスクリーム、カスタードクリームなどに入っている鶏卵は十分に加熱されていないので気をつけましょう
◎卵が入っている可能性がある食品
パン、めん類、洋菓子(クッキー、ケーキ、プリンなど)、練り製品(かまぼこ、ちくわ、はんぺんなど)、ハムなどの肉加工品(つなぎとして卵白を使っている可能性がある)、調味料(マヨネーズなど)、ミックス粉(ホットケーキミックス、てんぷら粉など)、揚げ物の衣など
乳
◎加熱してもアレルギーを起こす力はあまり弱まらない
牛乳アレルギーの原因たんぱく質は、加熱したり発酵してもほとんど変化しません
◎牛肉は食べられる
牛肉は、牛乳アレルギーの原因にはならないので避ける必要はありません
◎気をつけたほうがいい乳製品
ヨーグルト、チーズ、バター、生クリーム、発酵乳、乳酸菌飲料、練乳、粉ミルク、アイスクリームなど。パンやパン粉、洋菓子にも牛乳が使われている可能性が高い
◎チョコレートにも注意
市販されている多くのチョコレートには乳成分が含まれています。また、乳を使っていなくても乳成分が混入している可能性が高いので注意が必要です
◎チーズにも注意
乳製品の中でもチーズはアレルギー原因たんぱく質の濃度が高いので特に注意が必要な食品です。
◎牛乳を使わず調理する工夫
シチュー・・・乳成分を使っていないマーガリンを使ってルウを作ることができます。じゃがいもやコーンクリーム缶などでもとろみをつけられます
洋菓子 ・・・生クリームの代わりに豆乳のホイップクリームやココナッツミルクで代用できます
◎まぎらわしい表示
ー「乳糖」ー
乳糖は、アレルゲンではありません。牛乳を飲んで下痢になったりお腹がゴロゴロしたりするのは、「乳糖不耐症」という症状です。ただし、まれに乳糖でも症状が出る人がいるので、その場合は医師の診察を受けましょう
ー「乳化剤」ー
乳化剤は、乳製品ではありません。卵黄や大豆、牛脂などから作られています
ー「乳酸菌」ー
「乳」とついておりますが、乳酸菌は細菌の種類で乳製品ではありません。ただし、乳酸菌飲料などのには乳を使ったものが多いので注意してください
ー「乳酸カルシウム」「乳酸ナトリウム」ー
乳酸カルシウムと乳酸ナトリウムは、カルシウムとイオン結合で結びついている塩で、乳成分は含まれていません。
小 麦
◎小麦が入っている可能性がある食品
パン、めん類(うどん、そば、中華めん、パスタなど)、菓子(ケーキ、クッキー、スナック、まんじゅう、せんべいなど)、麩、粉類(ミックス粉など)、餃子やシューマイなどの皮、ルウなどの調味料、ハムなどの肉加工品など
◎しょう油は基本的には食べられる
しょう油は、原材料に小麦の表記されていますが、製造の過程で小麦のたんぱく質が完全に分解されるため、小麦アレルギーでも基本的には利用することが出来ます。
◎大麦、オーツ麦、ライ麦は基本的には食べられる
小麦アレルギーの原因にはならないので、基本的に避ける必要はありません。
(ただし、重症の小麦アレルギーの方は大麦を摂取すると症状が出ることもありますので、医師に確認してください)
◎米粉パンには注意
米粉パンには、食感を良くするために小麦グルテンが入っているものがあります。原材料を必ず確認しましょう
◎小麦を使わず調理する工夫
パン、ケーキなど・・・米粉、片栗粉、白玉粉、タピオカ粉などで代用
めん料理・・・春雨、ビーフン、フォー、米粉や雑穀でできためんなどで代用
揚げ物のの衣・・・米粉、片栗粉、上新粉、おからパウダー、細かく砕いたコーンフレーク、細かく切った春雨、乾燥マッシュポテトなどで代用
餃子、春巻き・・・生春巻きのライスペーパー、スライスした大根で代用
カレー・シチュー・・・米粉や片栗粉、乾燥マッシュポテトでとろみをつけたり、アレルギー用のルウの素の利用。じゃがいもやクリームコーン缶などもとろみ付けに使える
◎食べて数時間後に運動すると 激しい症状が出ることも
小麦は、食べて数時間以内に運動すると急激に症状(呼吸困難、血圧低下、めまい、失神など)が現れる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」が起こる可能性がある食品です
そ ば
◎重篤化しやすい
そばは、命の危険に関わる危険性が高い「アナフィラキシーショック」を引き起こす原因食物。症状が誘発された時に、比較的重篤化しやすいので注意が必要です。
◎外食でも注意
そばを専門扱う飲食店以外でも、うどんとそばを同じ釜で茹でていることがあります。
そばと同じゆで汁で茹でたうどんで症状が起こる場合や、空中に飛散したそば粉末を吸入することで症状が起こる場合もあるので、飲食店では注意深い確認が必要です。
◎菓子類にも注意
クレープ(ガレット)、クッキー、そばぼうろ、かりんとうなどの菓子の材料にそば粉が使われていることがあります。必ず原材料を確認しましょう
◎雑穀米にも注意
そばが含まれていることがあるので、必ず原材料を確認しましょう
落花生
◎重篤化しやすい
落花生は、命の危険に関わる危険性が高い「アナフィラキシーショック」を引き起こす原因食物。症状が誘発された時に、比較的重篤化しやすいので注意が必要です。
◎かくし味に注意
ピーナッツやピーナッツオイルが、カレーのルウやスナック菓子、サラダやサンドイッチなどに隠し味として使用されていることがあるので注意が必要です
◎落花生が入っている食品
ピーナッツバター、ピーナッツクリーム、ピーナッツオイル、ジーマーミ豆腐
◎気を付けたほうがいい食品
パン・菓子(ピーナッツやピーナッツクリームを使っているもの)、サラダ(ピーナツをトッピングしたりドレッシングに使っているもの)、揚げ物など(ピーナッツオイルを使っているもの)、カレー(ルウにピーナッツを使っているもの)
◎アーモンドやクルミは基本的には食べられる
落花生はマメ科、アーモンドやクルミはナッツ類のため、除去する必要はありません。ただし、落花生アレルギーの人がナッツ類にも反応する場合があるので、確認が必要
◎ローストピーナッツは特に注意
加熱することでアレルゲンが強くなるとされており、特にロースト(焙煎)した落花生で反応がでやすいといわれています
◎豆まきに注意
節分の行事で、殻付き落花生をまくことが多くなってきているので注意が必要。飛散した落花生の殻の粉を吸い込むだけで症状が起こる場合があります
えび・かに
◎えびアレルギーの人は、かにアレルギーの人が多い
えびとかにのアレルギーは原因となるたんぱく質が似ているため、えびアレルギーの人はかにでも、かにアレルギーの人はえびでも症状を起こす事が多くあります
◎重篤化しやすい
えびやかには、命の危険に関わる危険性が高い「アナフィラキシーショック」を引き起こす原因食物。症状が誘発された時に、比較的重篤化しやすいので注意が必要です
◎食べて数時間後に運動すると 激しい症状が出ることも
小麦は、食べて数時間以内に運動すると急激に症状(呼吸困難、血圧低下、めまい、失神など)が現れる「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」が起こる可能性がある食品です
◎しらす、ちりめんじゃこ、ちくわ、かまぼこにも注意
しらすやちりめんじゃこには、小さなえびが混入していることがあり、取り除くことが難しいためそのまま販売されている場合があります。また、ちくわやかまぼこなどの原材料となる魚がえびを食べている可能性もあります。いずれも注意喚起表示を確認しましょう
◎スープやスナック菓子にも注意
えびやかにで出汁をとったスープ、えびやかにで作ったスナック菓子やせんべい、などにも注意が必要。必ず原材料を確認しましょう
くるみ
◎令和5年3月9日、食品表示基準が改正され、アレルギー表示が義務付けられた品目(特定原材料)に「くるみ」が追加
令和4年3月発表の即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査(消費者庁)によると
原因食物は鶏卵(33.4%)、牛乳(18.6%)に続き、3位に木の実類(13.5%)が入り、これまで上位3位に入っていた小麦を抜きました。
木の実類のうち、くるみは56.5%で最も多く、全体に対する割合は7.6%となり、落花生の6.1%よりも上位でした。