もっと詳しく! アレルゲン28品目の豆知識 (特定原材料に準ずるもの20品目編)
カシューナッツ、アーモンド、ごま
◎木の実・ナッツ類では、”カシューナッツ、アーモンド、ごま”が「特定原材料に準ずるもの」
木の実・ナッツ類の中では、くるみ、カシューナッツ、アーモンド、ごまのアレルギー表示が推奨されています。ただし、義務ではないので、表示されていない場合もあります。
特にアーモンドは令和元年9月19日より、アレルギー発症者の増加をふまえて、表示の推奨品目に追加されました。
また、そのほかの木の実・ナッツ(マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツなど)は、アレルギー表示されないので注意が必要です
◎木の実・ナッツ類は3大アレルゲンに次ぐ4位の原因食品
木の実・ナッツ類は、アレルギー原因物質の中で、卵、乳、小麦に次いで4番目に多い食品です。
◎すべてのナッツ・木の実でアレルギー症状が出るわけではない
ナッツ・木の実によって含まれている(アレルゲンとなる)たんぱく質の種類が異なるので、すべてのナッツ・木の実で症状が出ることはあまりありません。
ただし、ピーカンナッツ、カシューナッツ、ピスタチオといった、アレルゲンとなるたんぱく質の成分が似ているナッツ・木の実同士は、どちらも症状が出る可能性が高くなります。
どのナッツ・木の実で症状が出るのかは、医師の診断を受けて確かめましょう
◎調味料やサラダ、パン、菓子などに注意
木の実・ナッツ類やごまは、調味料やドレッシング、たれ、トッピング、菓子などの材料として使用されることがあります。見た目だけではわからないことも多いので、必ず原材料を確認しましょう(特定原材料ではないので、表示されない可能性もあります)
◎ごま油より練りごまに注意
ごまを使った製品の中でも、練りごまやすりごまを食べると症状が出ることが多いようです。一方、精製されたごま油を食べても症状が出ないことが多いようです。
どの製品で症状が出るか(除去が必要か)は、医師の診断を受けて確かめましょう
◎花粉症の人は「口腔アレルギー症候群」になりやすい
花粉のアレルゲンとなるたんぱく質の構造と、特定のナッツのアレルゲンとなるたんぱく質の構造が似ているため、アレルギー反応が起こるといわれています
◎ラテックス(天然ゴム)アレルギーの人も注意
ラテックス(天然ゴム)製品に触れると症状が出るアレルギーの人は、くるみを摂取することでも症状が出ることがあります。「アナフィラキシーショック」を引き起こす場合もあるので注意が必要です
あわび、いか
◎軟体類では “いか”、貝類では “あわび”が「特定原材料に準ずるもの」
いかとあわびは「特定原材料に準ずるもの」として、アレルギー表示が推奨されています。ただし、義務ではないので、表示されていない場合もあります
また、そのほかの軟体類や貝類(たこ、あさり、ほたて、かきなど)は、アレルギー表示されないので注意が必要です
◎重篤化しやすい
いかは、命の危険に関わる危険性が高い「アナフィラキシーショック」を引き起こす原因食物。症状が誘発された時に、比較的重篤化しやすいので注意が必要です
◎アニサキスアレルギーの可能性も??
いかのアレルギーではなく、魚介類(いか、いわし、かつお、さけ、さんま、あじ、さばなど)に寄生する回虫アニサキスのタンパク質に反応して症状を引き起こすアニサキス・アレルギーの可能性があります。特定の魚介類が原因なのか、アニサキスが原因なのかは、医師の診断を受けて確かめましょう
◎食中毒の可能性も??
貝類を食べて、じんましん、下痢、嘔吐、意識障害などの症状が出た場合、食中毒の可能性もあります
オレンジ、りんご、バナナ、もも、キウイフルーツ
◎果物類では、”オレンジ、りんご、バナナ、もも、キウイフルーツ”が「特定原材料に準ずるもの」
オレンジ、りんご、バナナ、もも、キウイフルーツの5種類は、果物の中でもアレルギー表示が推奨されています。ただし、義務ではないので、表示されていない場合もあります
◎「口腔アレルギー症候群」が増えている
アレルギー症状として一般的な、じんましんや咳などを引き起こす「即時型」のほかに、食べてすぐに唇や舌、口の中、喉などに、かゆみやしびれが現れる「口腔アレルギー症候群」があり、幼児から大人まで幅広い年代で症状が多くみられます
◎花粉症の人は「口腔アレルギー症候群」になりやすい
花粉のアレルゲンとなるたんぱく質の構造と、特定の果物のアレルゲンとなるたんぱく質の構造が似ているため、アレルギー反応が起こるといわれています。
例えば、ハンノキ花粉症の人は、リンゴやももで症状がでやすい。イネ科花粉症の人は、メロンやスイカなどで症状が出やすいとされています
◎加熱すれば食べられることも
「口腔アレルギー症候群」を起こす果物のアレルゲンは熱に弱いことが多く、(ジャムやジュースなどに)加熱調理を行うことで、症状が起きにくくなるといわれています
◎バナナ・キウイフルーツアレルギーの人はラテックス(天然ゴム)にも注意
栗、バナナ、アボカド、キウイフルーツなどのアレルギーをもつ人は、アレルゲンとなる成分が似ているラテックス(天然ゴム)製品に触れた場合に症状が出る「ラテックスアレルギー」にもなりやすいとされています。
「アナフィラキシーショック」を引き起こす場合もあるので注意が必要です
さけ、さば、いくら
◎魚類では”さけ・さば”、魚卵では”いくら”が「特定原材料に準ずるもの」
さけ、さば、いくらは「特定原材料に準ずるもの」として、アレルギー表示が推奨されています。ただし、義務ではないので、表示されていない場合もあります
また、そのほかの魚類(マグロ・イワシ・カレイ・アジ・タイ・タラ・ブリなど)は、アレルギー表示されないので注意が必要です
◎複数の魚でアレルギー症状が出る
ある魚でアレルギー症状が出ると、ほかの魚でもアレルギー症状が出る場合が多い。これは、アレルゲンとなるたんぱく質の成分が、多くの種類の魚に含まれているためです
◎魚卵アレルギーはいくらが多い
日本での魚卵アレルギーのほとんどは、いくらが原因とされています。いくらアレルギーでも、ほかの魚卵(たらこ、ししゃもの卵、かずのこなど)をまとめて除去をする必要はありません
◎ツナやちくわ、かつおぶしは反応が出ないことも
魚の缶詰や、ちくわ・かまぼこなどの練り製品は、加工することでアレルギーが起こりにくくなり、魚アレルギーでも食べられる場合があります。
ただしアレルギー反応が出る場合もあるので、どの製品で症状が出るか(除去が必要か)は、医師の診断を受けて確かめましょう
◎アニサキスアレルギーの可能性も??
特定の魚のアレルギーではなく、魚介類(いか、いわし、かつお、さけ、さんま、あじ、さばなど)に寄生する回虫アニサキスのタンパク質に反応して症状を引き起こす「アニサキス・アレルギー」の可能性があります。特定の魚介類が原因なのか、アニサキスが原因なのかは、医師の診断を受けて確かめましょう
◎ヒスタミンによる中毒の可能性も??
赤身魚(まぐろ、ぶり、かじき、さば、いわしなど)やその加工品を食べて1時間以内に、じんましん、顔の紅潮、頭痛、発熱などの症状が出た場合、魚アレルギーではなく、「ヒスタミン食中毒」の可能性があります。
魚介類のアレルギーなのか、ヒスタミン食中毒なのかは、医師の診断を受けて確かめましょう
◎魚卵ではいくらのアレルギーが多い
日本での魚卵アレルギーのほとんどは、いくらが原因とされています。いくらアレルギーでも、ほかの魚卵(たらこ、ししゃもの卵、かずのこなど)で症状が出ることは少ないようです
大豆
◎大豆アレルギーは注意する関連食品が多い
大豆アレルギーの人は、
黄大豆、青大豆(黒豆)、青大豆(枝豆)、だだ茶豆、豆もやし
豆腐、油揚げ、厚揚げ、がんも、おから、湯葉、豆乳
納豆、きなこ
大豆由来の添加物を使用した食品
ルウ などに注意しましょう。
いずれも、アレルギー表示が推奨されていますが、義務ではないので、表示されていない場合もあります
◎大豆以外の豆を食べても基本的には大丈夫
大豆アレルギーでも、すべての豆類の除去が必要になることはほとんどありません。
小豆、えんどう豆、いんげん豆などの大豆以外の豆類を食べて症状が出る可能性はごくわずかです。ただし、気になる方は医師の診断を受けて確認しましょう
◎みそ、しょうゆは食べても大丈夫な場合が多い
みそ、しょうゆは大豆から作られていますが、長期間発酵する過程でアレルゲンが低下しているので食べられる場合が多いようです。症状が出るか(除去が必要か)は、医師の診断を受けて確かめましょう
◎大豆油も食べても大丈夫な場合が多い
精製された大豆油は、アレルゲンとなるたんぱく質をほとんど含んでいないため、食べても症状が出ないことが多いようです。
症状が出るか(除去が必要か)は、医師の診断を受けて確かめましょう
◎乳化剤(レシチン)が使用されている食品にも注意
「乳化剤(大豆由来)」と表示されているものは、大豆を原料にした乳化剤(レシチン)です。乳化剤は、菓子やジュースに使われている甘味料で使用されていることが多いようです。大豆由来のレシチンが使用されている食品を食べると、アレルギー症状が出る可能性があります。
◎緑豆もやしは大丈夫
もやしの中でも最も流通している緑豆もやしは、基本的に除去の必要はありません。
ただし豆もやしは大豆の芽なので除去しましょう
◎豆乳に限ってアレルギー症状がでる例も
ほとんどの大豆加工食品でアレルギー症状が出ないのに、豆乳を飲んだ時にだけ症状がでる特殊な例もあります。これは、主にカバノキ科の花粉症の患者が、豆乳を飲んだり、湯葉を食べたたことで「口腔アレルギー症候群」を発症している場合です。カバノキ科の花粉症かどうかは、医療機関で検査してください。
牛肉、豚肉、鶏肉
◎肉類では、”牛肉、豚肉、鶏肉”が「特定原材料に準ずるもの」
牛肉、豚肉、鶏肉は、肉類の中でもアレルギー表示が推奨されています。ただし、義務ではないので、表示されていない場合もあります
◎肉類すべてのアレルギーは少ない
いずれかの肉のアレルギーでも、すべての肉類の除去が必要になることはほぼありません
◎卵は食べられる
鶏卵は、鶏肉アレルギーの原因にはならないので避ける必要はありません
◎調味料や菓子などにも注意
肉のエキスや出汁、パウダーなどが調味料やスープの素、菓子、カレールーの原料として肉類が使われている場合があります。必ず原材料を確認しましょう。エキスや出汁なら食べられる場合もあるようです。
どの製品で症状が出るか(除去が必要か)は、医師の診断を受けて確かめましょう
◎加工品にも注意
ハムやソーセージなどの加工食品にも肉類が使われています。ただし、つなぎとして使用されている卵や乳に対して症状が出る場合もあります
◎マダニ噛まれて肉アレルギーになることも!?
マダニの唾液成分が牛肉にも含まれていることが原因で、マダニに噛まれたことで牛肉アレルギーを発症する例が報告されています
まつたけ
◎まつたけアレルギーの症例は少ない
発症はまれですが、発症すると命に関わる危険性の高いアナフィラキシーショックを起こす事があるので注意しましょう
◎ほかのきのこ類でもアレルギー症状が出る可能性は低い
まつたけアレルギーの人が、そのほかすべてのきのこで症状が出るとは限りません。
ただし、特定のきのこで症状が出る可能性があるので、医師の診断を受けて確かめましょう
やまいも
◎やまいもアレルギーの症例は少ない
やまいもアレルギーの発症はまれですが、食物アレルギーに似た「アレルギー様症状」が起こることがあります。やまいもを食べて症状が出た場合は、医師の診断を受けて原因を確かめましょう
◎やまいもを触った手や口がかゆくなるのは、アレルギーではないかも?
やまいも、さといも、じねんじょ、ながいもを触った手や、食べた時の口の周りがかゆくなるのは、シュウ酸カルシウムという物質が皮膚を刺激している可能性が高いようです
◎ほかのいも類でもアレルギー症状が出る可能性は低い
やまいもアレルギーの人が、じゃがいもやさつまいもなどのいも類で症状が出ることは少ないようです
ゼラチン
◎ゼラチンアレルギーの症例は少ない
ゼラチンアレルギー症例は、ほかの食物アレルギーに比べて少なく、重篤な症例も少ないようです
◎ワクチン接種が原因の世代
1988年から1996年までに、ゼラチンを含有する3種混合ワクチンを接種した人に、アナフィラキシー症状が現れました。(その後、1996年までにゼラチンアレルギー対策として3種混合ワクチンからゼラチンを除く措置が行われました)。 このため、ある年齢層に限りゼラチンアレルギーを持つ人が多く存在しています