みんなちがって、みんないい。

ごきげんよう!スマイリー平野です。

いつも、笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

 さて、3月20日は二十四節気の「春分の日」で、昭和23年に「自然をたたえ、生物を慈しむ日」として国民の休日となりました。春の陽気に誘われて虫や草花が顔を出してきます。今年もコロナ禍で例年のようなお花見はできませんが、桜を観て心華やぐ時季となりました。そして、極楽浄土のある真西に太陽が沈むことから、春分の日を中日に、前後3日間を含めた7日間が春のお彼岸です。先祖を敬いお墓参りをして供養するされています。

 お彼岸には、小豆の赤が魔除けとなり邪気を祓い災難から身を守るとされ、お供え物として、春は「ぼたもち」、秋は「おはぎ」をつくる習慣があります。漢字で書くと「牡丹餅」

「御萩」となり、季節の花に因んだ名前で呼んでいます。餡子の材料となる小豆は、秋に収穫されるので、「おはぎ」は小豆を皮ごと用いた「粒餡」です。そして、春には小豆の皮が固くなるので、皮を取って用いた「こし餡」です。今では色々とアレンジされた牡丹餅や御萩があります。子どもの頃に、母親が大きな牡丹餅をつくってくれたのを覚えています。

 お彼岸なので薬師寺へ写経に行きました。緊急事態宣言もあけて春の陽気に誘われて、人出も多くなったように感じました。穏やかな日差しの中で、境内の桜が八分咲で、そこに今年生まれたウグイス(梅ではありません)が寄って、「ホーホケキョ」と上手くなく練習をしていました。

 さて、今回も大好きな詩をひとつ紹介させていただきます。

「私と小鳥と鈴と」 金子みすゞ 

私が両手を広げても、お空はちっとも飛べないが、飛べる小鳥は私のように、

地面を速くは走れない。

私がからだをゆすっても、きれいな音は出ないけど、あの鳴る鈴は私のように

たくさんな唄は知らないよ。

鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい。

金子みすゞ (1903年~1930年)26歳で亡くなりましたが500編を超える詩を綴っています。その中でもTVCMでも流れていた「こだまでしょうか」「大漁」などとならんで有名な詩ですが、この詩を想起する場面が最近ありました。

 今春の新卒栄養士さんの採用をした時です。今年は、コロナ禍でもあり学校給食部門では積極的に新卒採用活動を行っていませんでしたが、良いご縁があり優秀な栄養士さんが仲間になりました。どのような縁かと言えば、5年程前から大阪府立中央聴覚支援学校で給食調理業務を受託しています。新卒栄養士さんは、その学校の卒業生です。

 採用試験では、作文があり「栄養士になってどのような社会貢献をしたいのか」をテーマに書いていただきました。作文の内容を読めば、同じ聴覚障がいを持つ人たちに手話を使って食事や栄養の事を伝えたいと書かれていました。4月から母校へ配属し後輩たちに給食配膳室で食育のお手伝いからスタートです。調理室でのマスク着用などのハンディも乗り越えて頑張ってくれるものと期待しています。

そして、笑顔会ブログでも聴覚障がいを持たれるおかあさんへの動画配信の一助になってくれること頼もしく思っています。

 次に、食べ物の話もひとつさせていただきます。この詩を知ったのは、15年程前に団体旅行で山口県長門市仙崎にある「金子みすゞ記念館」を訪れたことからです。記念館の見学を終えて出発まで時間があったので、商店街でお土産を探していました。仙崎は港町で新鮮な魚を自家製造するカマボコ屋さんが数軒ありました。試食もしながらリーズナブルな価格なのでお土産にたくさん買って帰りました。余りにも美味しく家族も気に入りお正月用に近所の人たちと一緒にお取り寄せをしました。山口県のカマボコは、すり身の表面に直接火をあてない「焼き抜き」という伝統製法なので、見た目は艶々で真っ白です。食感はしこしこして滑らかなで味も濃厚で、芳醇な日本酒との相性もピッタリです。

 そのようなことで、6年程前に家族で萩旅行に行った帰りに仙崎へカマボコを買いに寄りました。しかし、残念なことに数軒もあったカマボコ屋さんが廃業して商店街の様子もすっかりと変わっていました。

 母親の郷里は、広島県の「鞆の浦」です。仙崎と同じように漁港があり鯛網が有名です。

子供の頃は、ショコがいっぱい獲れて家で茹でて、殻を剥きながら3杯酢でおやつ替わりに食べていました。しかし、今はまったく獲れなくなってしまいました。美味しい思い出がだんだんと消えていくことはとても寂しいことですね。何とか復活して未来へ残して行きたいものですね。

それでは、ごきげんよう!さようなら。