お箸のはなし パート2
ごきげんよう! スマイリー平野😊です。
今年の給食も残り1週間となりました。1年が過ぎるのがアッという間で、残すところわずかとなり、年初にたてた目標の進捗とやり残したことの反省をする毎日です。皆さんにとって今年はどのような年でしたか?
今週も「お箸」の話を2つ書かせていただきます。まず、おせち料理やお雑煮をいただくときの「祝い箸」についてです。「祝い箸」は「両口箸」、「柳箸」、「俵箸」とも呼ばれています。祝い事に欠かせない箸で、長さは末広がりの八寸(約24cm)、柳を材料として作られています。柳を使う理由は折れたりすると縁起が悪いので、丈夫で折れにくいことと、水で清められた神聖な木とされ、春一番に芽吹くことでおめでたい木とも云われ「家内喜」と書くこともあります。両方の先端が細く、形状から「両口箸」とも呼ばれているのは、一方は神様、もう一方を人が使う「神人共食」を意味しています。ですから、両方を使えるからとひっくり返して取り箸代わりにも使ってはいけません。さらに、米俵のように中央が膨らんでいるのは、五穀豊穣を祈念したものです。水引のついた美しい箸袋に収められています。このように、お箸ひとつにも日本の食文化の奥深さに感心させられます。
もう一つの箸に関わるお話しに移ります。僕は、疲れた時や考え事があると奈良へ写経に出かけます。そのお寺で教えていただいた話が「天国と地獄の長い箸」です。話の内容は、ある男が閻魔大王に会って、天国と地獄はどのような世界なのかを尋ねました。閻魔大王はその男に、先ずは地獄の様子を見せると、人々は1メートルもある長い箸をもって美味しそうな料理が並んだテーブルを囲んでいました。人々は我さきにごちそうを食べようと箸で料理を口に運ぼうとしますが、あまりにも長い箸なので食べることができません。それでいつもお腹をすかせて、痩せこけて喧嘩ばかりしています。次に、閻魔大王は天国の様子を男に見せました。天国でも同じ1メートルもある長い箸で食事をしているのですが、人々はふくよかで、喧嘩などせずに楽しそうに食事をしています。天国の人たちは長い箸を自分が食べる為に使うのではなく、他の人に食べさせる為に使っています。美味しいごちそうをすっかり分けあって、みんな満足し、しあわせそうに食事をおえました。同じ長い箸も、地獄の人には使えない道具ですが、天国の人には他人を思いやり心も胃袋も満たす有難い道具になります。天国と地獄は、自分さえよければと考えるか、まずは相手のことを大事に考えるかが天国で暮らすのと地獄を味わうかの大きな分かれ目となります。
学校給食調理員さんは、食べる児童、生徒の笑顔を思いえがき、調理員どうしも次工程を考えた心くばりのできた作業が、美味しく安全な給食の提供に繋がります。コミュニケーションを大切に事故なく今年を締めくくりましょう。
長文を読んでいただきありがとうございます。それでは、ごきげんよう。