初心忘るべからず

ごきげんよう! スマイリー平野😊です。

いつも、笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

春休み中に、新元号や紙幣刷新の発表があったり、桜が満開の中で入学式が行われたり、お祝いムードが漂い世の中が明るくなったような気がします。そんな中、マルタマフーズの学校給食部門には、夢を持った6人の新卒社員が入社しました。3日間ですが、配属前に本社研修で話したことの一部を書かせていただきます。

「初心忘るべからず」 現代では、「物事を始めた当初の謙虚な気持ちや新鮮な感情を忘れてはいけない」という意味で使われています。しかし、本来はもう少し深い意味をもった言葉です。

 この言葉は、今から600年ぐらい前の室町時代に「能」を大成した世阿弥(ぜあみ)が残した「花鏡」に書かれています。その中で、初心には「是非の初心」「時々の初心」「老後の初心」の3つあると言っています。

「是非の初心忘るべからず」…能の舞台に初めて立ったときは、まだ未熟で、上手くいくはずがなく、上手くいけば是、上手くいかなければ非、上手くいってもいかなくても、一所懸命な気持ちを忘れてはいけないという事です。世阿弥は、芸が上手くでも下手でも「花」がなければならないと言っています。「花」とは命がけの熱意のことです。舞台での舞いに命がけの熱意が出るとそこに花が現れて、観る人を魅了し、名人芸、至芸になる道があると言っています。

「時々の初心忘るべからず」…能の役者でも年月が経つと、舞台に上がっても馴れが出て平気になる。そうなるとつい初心を忘れ、熱意がなく、外見では上手く舞っているが、舞台に花がない。それを戒め「時々」初心を忘れるなということです。

「老後の初心忘るべからず」…能の役者でも老いてくれば名人といわれるようになる。そうなるとまわりの人達が遠慮し奉るようになる。そうなるとどうしても驕る気持ちが出て、その結果、舞台に活気がなく魅力が失せてしまいます。これを戒め「老後」の初心を忘れるなと言っています。

最後に「命は終わりあり、能には果てあるべからず」と言っています。芸術の世界ではいくら究めても、決してこれが最高でこれで終わりということがない。それ故、初心を忘れることなく、終わりなき道をしっかり行きなさいと教えています。 

 新社会人に限らず、中堅の調理員さん、子育てをされているお母さんにも通じる、すばらしい言葉だと思います。

 今日から奈良県五條市の五條市立学校給食センターの「本日の給食」がアップされます。奈良県五條市は、奈良盆地の南西部に位置して31,000人が暮らされており、自然ゆたかで四季折々のすがたが美しいところです。柿の生産は日本一です。名産として柿の葉寿司があります。熊野灘で獲れたサバの切り身と酢めしを柿の葉で包んで風味豊かな五條の味です。葛城山・金剛山の麓の県道30号線(山麓線)を走っていると「大和は 国のまほろば たたなづく 青がき山ごもれる 大和し 美し」というヤマトタケルの歌が思い出されます。今年はサクラも残り、緑の山の所々にピンクの紋様があり、野には黄色い菜の花が咲いています。秋には真っ赤な彼岸花と稲の黄金色と緑色の縞模様がキレイで、まさに「まほろば」です。そんな自然豊かな土地で獲れた野菜や果物、ジビエ肉の地産地消の食材を使った学校給食を調理しています。

條市立学校給食センターでは、幼稚園児・小学生・中学生に加えて、昨年から農業の担い手育成を目指して生徒を全国募集する「奈良県立五條高等学校賀名生(あのう)分校」へも給食を届けています。4年間の寮生活で思い出に残る五條の給食と「本日の給食」をご覧いただき、実家で子を想う保護者様の安心の一助になればと思い配信をスタートします。おかげさまで拙いブログではありますが、ご覧になられる方も増えています。まだまだ、始めたばかりですが、「是非の初心」「時々の初心」を忘れず続けてまいります。

 今学年もご支援のほど宜しくお願いいたします。それでは、ごきげんよう。