東京と大阪

ごきげんよう!スマイリー平野☺です。 いつも、笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。 今週は、よく話題になりますが、関東(東京)と関西(大阪)の食に関わる違いについてお話させていただきます。

 小さい頃から親しんできた味は、大人になってもそう簡単に舌が変わるものではありま せん。東京のマグロ、納豆、のり好き、大阪のハマチ、たこ、昆布好みも、立地によってつくられてきた部分が大きく、からっ風が吹く関東と瀬戸内気候の穏やかな関西では、人の気質も変わり、味の濃淡がはっきるするのも理屈に合っていると言われています。

 東京と大阪、江戸時代は歩いて14日間、手紙を飛脚で届けて3日間、今では新幹線で 2時間30分、飛行機を使えば1時間で移動ができます。東京の天ぷらが関西風になり、鰻のかば焼は江戸前になっているなど、東西の味も近づいていますが、まだまだ「文化」の違いがあり、随所に異なりがあります。

参照:どっちがうまい!?東京と大阪の味のなるほど比較事典 前垣和義著 PHP文庫 より

料理名の由来や調理法の違いなど、興味深い項目をピックアップしました。

1.炊き込みご飯(東京)VS かやくご飯(大阪)

   炊き込みご飯は、まぜご飯、五目飯といった名称もあり、大阪ではかやくご飯の名で 

     親しまれています。かやくは「加薬」の意味で、人参、ごぼう、薄揚げ、こんにゃく 、

   椎茸などの具を加え、醤油味をつけて炊いたご飯のことで、一緒に炊き込む野菜は、

   からだによい薬味であるとの考えからその名がつけられました。東京の炊き込みご飯

   とは、調理法も異なります。東京は材料を先に味つけしてからご飯に入れて炊き上げま

   すが、大阪は、ご飯の中に具と醤油、だしを加えて炊く。具には味つけしない。素材の

   味を活かす大阪人の料理のこころが窺えます。 

2.のり巻(東京)VS巻きずし(大阪)

   のりで巻いたすしは、東京では「のり巻」、大阪では「巻きずし」と呼ばれます。現在

   同じすしのように思われていますが、実は異なるもので、太さや具の内容、のりを焼く

   焼かないなどの違いがあります。のり巻は、「細巻」で芯が一種類のものをいう。巻き

   ずしは、玉子焼、かんぴょう、椎茸、きゅうりなど具だくさんの「太巻」です。かって

   大阪では、遠足や運動会の時に巻きずしが弁当箱に詰められていました。のりを焼くの

   が東京で大阪では焼かない。これは、食べるまでの「時間」に関係しています。あぶっ

   たのりの香味は短時間が勝負で、細巻ののり巻は巻いて即食べるケースが殆どです。

   大阪でも手巻きずしはパリッと焼いたのりを用います。巻きずしは弁当に入れられる

   など、時間を経過して食すことも普通なので、のりを焼きません。

3.東京のたぬきVS大阪のたぬきVS京都のたぬき

   麺類の「たぬき」は、東京と大阪では別の食べ物です。そして、京都では、また異な

  ります。東京は、うどん、そばを問わずに揚げ玉(大阪では天かすという)がのってい

  るものを指します。大阪では、そばに甘辛く炊いた薄揚げがのっています 。

   東京の「たぬき」は大阪では「ハイカラ」と名付けられています。大阪の「たぬき」を

  東京で注文するときは「きつねそば」と言わなければ出てきません。そして、更に話を

  複雑にしているのが、京都です。京都では、あんかけに薄揚げのきざみがのったものが

  「たぬき」です。以前、それを知らずに「たぬき」を注文した時に「うどんですか、そ

  ばですか?」と聞かれ、そばに決まっているのに変なことを聞くなと思っていたら、

  あんかけにきざみ揚げのそばが出てきたので、クレームを言ったら「京都では、これ 

  がたぬきどす!」と言われました。仕方なしに食べたら、とても美味しくて、それから

  は、「たぬきそば」を注文することも多くなりました。

  全国的には、東京風「たぬき」が浸透しており、札幌・仙台・名古屋・博多では揚げ玉

  入りです。岐阜県では、大阪でのかつての呼び名「お化け」と注文すれば大阪の「たぬ

  き」が出てきます。ややこしいのが滋賀県で、東部は揚げ玉の「たぬき」で、西部は   

  京都風のあんかけ「たぬき」に分かれます。奈良県や神戸は大阪風ですが、高槻市以北

  では京都風になり、うどんの本場の讃岐(香川県)には「たぬき」という麺類がありま

  せん。たぬきと呼ばれる所以は、天ぷらの「たね」(具 )を抜いた揚げ玉だけなので、

  「ネタヌキ」。京都では「どろん」と化けるイメージとあんかけの「どろっ」が重なっ

  たという説があります。更にさらに、ややこしいの が 東京には「冷やしたぬき」がいま

  す。駅の立喰いそば屋で揚げ玉に千切りきゅうり や ナルトなどをたっぷりトッピングし

  て紅ショウガを添えたぶっかけです。大阪には「冷やしたぬき」はありません。さすが

  に「たぬき」は土地土地で色々な姿に化けていますね。

くどくどと今回も長文になってしまいました。その他にもいなり寿司の形やもんじゃ焼きとお好み焼の違いなど食文化が変わっています。次回もこの話題を続けて書かせてい ただきます。ゴールデンウィーク、東京や京都の観光地に行かれた時の話題になれば幸 いです。それでは、ごきげんよう。 

Have a nice golden week vacation.(^^)! 

次回は、5月10日にアップします。