食で応援! 運動能力アップごはん 第15回 ~疲労には運動前と運動後の食事が大切!~

運動に取り組むお子さんをサポートするための、栄養のお話しや おすすめレシピをご紹介する連載です。

第16回は、「疲労には運動前と運動後の食事が大切!」がテーマ。

運動後の疲労を効率よく回復するために、食事で気をつけるべきことは何でしょうか?

今回は 疲労回復に役立ち 運動効果を高めるための食事についてお話しいたします。

監修:中江祥子(管理栄養士)

運動による疲労とは?

運動後に感じる痛みや疲労感は、体がダメージを受けたサインです。

運動で疲労した体を回復させるには、タイミングよく栄養を補給することが大切です。

疲労の原因はいくつかあります。

運動によってエネルギー源のグリコーゲン(糖質の貯蔵)がなくなってしまい、疲労を感じます。

また、汗をかくなど大量の水分が失われることによって血流が悪くなり、エネルギーをうまく作り出せなくなってしまいます。

そのほかに、運動によって血液中の糖が消費され 血糖値が低下することで、疲労感や倦怠感が増すと考えられています。

疲労回復に役立つ食事

疲労回復には運動前と運動後の食事が大切です。

運動前には、十分な糖質を摂取して エネルギー源であるグリコーゲンを蓄えておきましょう。

運動前の糖質摂取については、前回の「スタミナトレーニング」(https://www.egaoe.jp/2023/05/04/sports-16/)を参考にして下さい。

運動後にはできるだけ早く、水分・糖質・たんぱく質を補給しましょう。

運動後の体の回復には、3つのゴールデンタイムがあります。

1回目は運動後20分以内、2回目は約2時間後、3回目は就寝時です。

この3つは、体を回復させる成長ホルモンが多く分泌されるタイミングです。

このタイミングで糖質とたんぱく質を摂取すると回復が早まります。

中でも最も重要なのが運動後の20分です。運動後にできるだけ早く、栄養を摂ることで、体の回復が高まります。

疲れている時は、胃腸の働きも弱っています。胃腸の負担にならないように、消化の良いものを食べましょう。

また、水分補給も忘れず、十分な休息をとることも大切です。

糖質・たんぱく質にプラスして摂りたい栄養素

運動後にご飯などの糖質、たんぱく質とともに、レモンや梅干しなどの酸っぱい食品をとるのがよいでしょう。


Point

・運動後に糖質とたんぱく質を摂る

・ビタミンB群やビタミンC、クエン酸も合わせて摂る

・しっかり睡眠をとってリフレッシュ!


運動時の疲労回復におすすめのレシピ

<汁物> 糖質UP、ビタミンC
パスタスープ

材料(1人分)>

マカロニ 10g
ベーコン 1/2枚(10g)
玉ねぎ 20g
じゃがいも 20g
キャベツ 30g
にんじん 5g
固形ブイヨン 2.5g
水 150ml

<栄養価(1人分)>

エネルギー 152kcal/たんぱく質 5g/脂質 5g/食塩 1g/ビタミンC 26㎎

作り方>

①ベーコン、玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、にんじんは1㎝角に切る。
②鍋に水を入れて玉ねぎ、にんじん、じゃがいもを入れて、加熱する。
③ベーコンを入れて 火が通ったら、マカロニを入れて、(マカロニの)指定された時間煮る。
④ブイヨンを入れて味付けをする。

<ポイント>
・マカロニ、じゃがいもを入れることで、糖質アップ。
・じゃがいもやキャベツは疲労回復に効果的なビタミンCが豊富です。

<主菜>糖質UP、ビタミンB1+アリシン+ビタミンC

糖質UP
豚キムチチャプチェ

< 材料(1人分)>

春雨 20g
豚肉スライス 4枚(80g)
玉ねぎ 30g
にんじん 10g
赤ピーマン 10g
黄ピーマン 10g
キムチ 30g
にら 3g
すりおろしにんにく 1g
オイスターソース 小さじ1/2
しょうゆ 小さじ1/2
油 適量

<栄養価(1人分)>
エネルギー 320kcal/たんぱく質 17.6g/脂質 15.4g/食塩 1.3g/ビタミンB1 0.76㎎/ビタミンC 36㎎

作り方>
①にんにく、オイスターソース、しょうゆを合わせておく。
②春雨は少しかために茹でる。
③豚肉は3㎝幅、玉ねぎ・にんじん・赤ピーマン・黄ピーマンは細切り、ニラは2㎝ほどに切る。
④油で豚肉、玉ねぎ、にんじんを炒める。
⑤火が通ったら、赤ピーマン、黄ピーマン、②の春雨を加えて炒める。
⑥ニラとキムチを入れて①で調味する。

<ポイント>

・春雨を用いて糖質UP。
・豚肉は、糖質をエネルギーに変える際に必要なビタミンB1が豊富で、玉ねぎやにんにくにはビタミンB1の働きを助けるアリシンという成分が豊富です。
・ピーマンには疲労回復に有効なビタミンCが豊富です。
・キムチを入れて、食欲の出る味付けにしました。

<主菜>ビタミンB1+クエン酸
豚肉の梅ソース炒め

< 材料(1人分)>

豚肉スライス 4枚(80g)
玉ねぎ 30g
水菜 20g
にんにく 1g
油 適量
梅干し 3g
砂糖 小さじ1
酒 小さじ1

<栄養価(1人分)>
エネルギー 255kcal/たんぱく質 16.7g/脂質 15.2g/食塩 1g/ビタミンB1 0.76㎎

<作り方>

①豚肉は3㎝幅、玉ねぎは短冊切り、水菜は3㎝ほどに切る。にんにくはみじん切りにする。
②梅干しは刻んで、砂糖、酒と合わせておく。
③油でにんにくを炒めて 香りが出たら、豚肉、玉ねぎを炒める。
④火が通ったら、水菜を入れて、②で味付けする。

<ポイント>
・豚肉には、糖質をエネルギーに変えるときに必要なビタミンB1が豊富です。
・梅干しはクエン酸が豊富で、疲労回復を手助けしてくれます。
・甘じょっぱい味付けで、白ご飯も進む1品です。

<主菜>
鶏肉のジンジャーハニーレモンソースかけ

< 材料(1人分)>

鶏もも肉 80g
白ねぎ 5g
しょうが 5g
塩 少々
こしょう 少々
薄力粉 適量
油 適量
はちみつ 小さじ2/3
しょうゆ 小さじ1
レモン果汁 小さじ1
水 小さじ1

<栄養価(1人分)>
エネルギー 231kcal/たんぱく質 14.2g/脂質 14.4g/食塩 1.1g/ビタミンC 7㎎

<作り方>
①白ネギは小口切り、しょうがはみじん切り。
②はちみつ、しょうゆ、レモン果汁、水を合わせておく。
③鶏もも肉は一口大に切り、塩・こしょうで下味をつけ、薄力粉をまぶす。
④油を熱して、③が火が通るまで焼く。
⑤鶏肉に火が通ったら、取り出す。
⑥しょうが、白ねぎを炒めて②を加えてひとに立ちさせる。
⑦⑤の上に⑥をかけて完成。

<ポイント>

・はちみつに含まれる糖質は、体に速やかに吸収されてエネルギーになるため、疲れた時の体力回復に効果的です。
またはちみつには整腸作用も期待できます。