食で応援! 運動能力アップごはん 第14回 ~筋肉づくり 筋肉はたんぱく質でできている!!~

運動に取り組むお子さんをサポートするための、栄養のお話しや おすすめレシピをご紹介する連載です。

第14回は、「筋肉づくり」がテーマ。

第4回の「エネルギーを生む栄養素~たんぱく質~」でお話ししたとおり、スポーツに取り組む体に必要不可欠な「筋肉」は、たんぱく質からできています。

そこで今回は 筋肉をつけるには どんな食事が効果的なのかをお話しいたします。

監修:中江祥子(管理栄養士)

筋肉ができるメカニズム

アスリートのみなさんは、運動パフォーマンスを高めるために筋肉をつけたいと考えておられると思います。では、筋肉を効率よくつけるには、どうしたらいいでしょうか?

もちろんトレーニングは必要ですが、食事や休息も大切な役割を果たしています。

まず、筋肉ができるメカニズムをみてみましょう。

筋肉は「筋肉を使う」→「筋肉が壊れる」→「筋肉を修復する」というサイクルを繰り返すことで太く大きくなります。

筋力トレーニングをすると筋肉は傷つきます。しかし、適切な栄養補給と休息によって回復する過程で、さらに大きなダメージにも耐えられるように、筋肉は強く大きくなります。

筋肉ができるメカニズム

傷ついた筋肉を修復するために必要なのが、筋肉のもとになるたんぱく質です。

食事によって体内に入ったたんぱく質は、アミノ酸として体内に貯蔵されています。

しかし筋肉量を増やすためには、さらに多くのたんぱく質を食事からとる必要があります。

筋肉づくりに トレーニングだけでなく 食事も重要になっています。

たんぱく質の量

運動を激しく行う人は 一般の人の1.5~2倍、1日に体重の1.2~1.7倍のたんぱく質を補給する必要があります。

つまり、体重50kgの人であれば、1日に60~85g摂取しなければなりません。

ここで食品に含まれるたんぱく質量を示します。

たんぱく質は主に肉や魚類に多く含まれますが、日本人の摂取量の多いごはんなどの穀類もたんぱく質源となっています。

これらの食品を組み合わせて必要なたんぱく質量を確保しましょう。

たんぱく質の質

たんぱく質の量だけではなく、質も重要になります。

たんぱく質のもとになるアミノ酸は、体内で作ることができる非必須アミノ酸と、体内で作ることができない必須アミノ酸に分けられます。

筋肉の合成を行うのは、必須アミノ酸です。

一つの食材からたんぱく質を摂るのではなく、さまざまな食材からたんぱく質を摂ることがおすすめです。

※必須アミノ酸の摂りかたのポイントは、第4回のたんぱく質の回で詳しくお話ししています。
https://egaoe.jp/2021/06/18/sports-4/

筋力トレーニング後のたんぱく質摂取

トレーニングをすると、筋肉の合成が高まりますが、筋合成が最も高まるのは、トレーニング直後1時間くらいと言われています。

その際にたんぱく質を摂取すると、さらに筋合成が高まります。

トレーニング直後30分以内に、筋合成を高めるたんぱく質と、エネルギーを回復させるための糖質を摂ることがおすすめです。

食事で均等にたんぱく質を摂取!

1日3食のなかでも 夕食にたんぱく質が多く摂る傾向がある方も多いのではないでしょうか?

しかし、1食でたくさんたんぱく質を摂取しても、体内でうまく代謝することができません。

1日3食+補食で均等に摂るほうが、筋タンパク質の合成を高めるのに効果的です。

とくに 朝食でたんぱく質をあまり摂れていない方が多いと思います。睡眠時にもたんぱく質を消費しているので、朝食でもたんぱく質を食べるように心がけましょう。

たんぱく質と一緒に摂りたい栄養素

たんぱく質を食べると体の中で代謝されます。その代謝には、ビタミンB6やカルシウム、酵素も必要となるので、一緒に摂るようにしましょう。

また、筋力トレーニングを行った際は、太くなった筋繊維同士をつなぐビタミンCも一緒に摂ることも大切です。


Point

・筋肉量を増やすには、筋肉の材料となるたんぱく質を食事から多く摂る

・3食+補食で偏りなくたんぱく質を摂取する

・ビタミンB6、たんぱく質分解酵素、ビタミンC、カルシウムも積極的に摂る


たんぱく質摂取におすすめのレシピ

<主菜>たんぱく質・カルシウム
厚揚げのチーズのせ焼き

材料>

厚揚げ 70g 
スライスチーズ 1枚
白ねぎ 3g

<栄養価(1人分)>

エネルギー 123kcal/たんぱく質 8.8g/脂質 8.2g/食塩 0.1g/カルシウム 196mg

作り方>

①白ねぎは小口切りにする。
②フライパンに厚揚げを入れて焼く。
③火が通ったらスライスチーズ、その上に白ねぎをのせて、蓋をして蒸し焼きにする。
④チーズが溶けたら完成。

<ポイント>

朝食の1品にもおすすめ。厚揚げやチーズに豊富なカルシウムは たんぱく質代謝に必要です。

<主菜>たんぱく質、ビタミンB6、たんぱく質分解酵素
鶏むね肉の南蛮漬け

< 材料(1人分)>

鶏むね肉 90g
塩 少々
小麦粉 適量
油 適量
たまねぎ 25g
黄パプリカ 5g
赤パプリカ 5g
砂糖 大さじ1
酢 大さじ1
塩 少々

<栄養価(1人分)>
エネルギー 270kcal/たんぱく質 18.6g/脂質 13.5g/食塩 0.7g/ビタミンB12 0.08mg/ビタミンB2 0.47μg

作り方>
①鶏むね肉に塩をして、小麦粉をまぶし、フライパンで焼く。
②たまねぎは薄くスライス、パプリカはせん切りにする。
③調味料を合わせて、鶏肉が温かいうちに②と合わせて、味をしみこませる。

<ポイント>

・玉ねぎにはたんぱく質の分解をサポートする酵素が含まれています。今回は生の玉ねぎを使っているので、その効果が期待できます。
・鶏むね肉は高たんぱく質の肉で、筋肉の修復にお勧めです。
・鶏肉はたんぱく質の代謝を促すビタミンB6を豊富に含みます。
・鶏むね肉は塩をしてしばらく置いておくと、塩の作用で、お肉が柔らかくなります。

<主菜>たんぱく質、ビタミンB6 、ビタミンC
牛肉とじゃがいものソース炒め

< 材料(1人分)>
牛肉コマ切れ 80g
じゃがいも 20g
ブロッコリー 20g
にんじん 15g
とんかつソース 小さじ1
しょうゆ 小さじ1
こしょう 少々
油 適量
酒 小さじ1/2
だし 大さじ1

<栄養価(1人分)>
エネルギー 227kcal/たんぱく質 18.7g/脂質 12.8g/食塩 1g/ビタミンB6 0.49mg/ビタミンC 32mg

<作り方>
①牛肉は3cm幅、じゃがいも、人参は短冊切り、ブロッコリーは一口大に切る。
②野菜はさっとゆでておく。
③牛肉を炒めて、火が通ったら、じゃがいも、にんじんを炒める。
④柔らかくなったら、ブロッコリーを入れて、味つけをする。

<ポイント>
・牛肉には、たんぱく質の代謝を促すビタミンB6 が豊富です。
・じゃがいもやブロッコリーに豊富なビタミンCは、太くなった筋繊維どうしをつなぐ働きがあります。

<主菜>
酢鰤

< 材料(1人分)>
鰤 1切れ
塩 少々
薄力粉 適量
たまねぎ 20g
にんじん 10g
ピーマン 15g
きくらげ 0.5g
パイナップル 20g
油 適量
砂糖 大さじ1
酢 小さじ1
ケチャップ 小さじ1
顆粒中華だし 少々
水 20g
片栗粉 小さじ1

<栄養価(1人分)>
エネルギー 346kcal/たんぱく質 18.1g/脂質 19.2g/食塩 0.6g/ビタミンB6 0.42mg/ビタミンB12 3μg

<作り方・ポイント>
※詳しい作り方やポイントは、こちらで紹介しています。
https://cookpad.com/recipe/7420465

<主菜>
高野豆腐のミンチ詰め煮

< 材料(1人分)>
高野豆腐 1枚
鶏ひき肉 40g
干し椎茸 1/4枚
にんじん 5g
塩 0.3g
卵 10g
片栗粉 小さじ1
ブロッコリー 20g
にんじん 15g
砂糖 小さじ2
塩 少々
しょうゆ 小さじ1/2
みりん 小さじ1/2
だし 80g

<栄養価(1人分)>
エネルギー 346kcal/たんぱく質 18.1g/脂質 19.2g/食塩 0.6g/ビタミンB6 0.42mg/ビタミンB12 3μg

<作り方・ポイント>
※詳しい作り方やポイントは、こちらで紹介しています。
https://cookpad.com/recipe/7420450

<副菜>

ゆで卵のヨーグルトドレッシングサラダ

< 材料(1人分)>
卵 1個
大根 50g
にんじん 15g
水菜 20g
〈ドレッシング〉
ヨーグルト 大さじ2・1/2
酢 小さじ1/2
塩 少々
にんにく 2g
オリーブオイル 小さじ1/2
パルメザンチーズ

<栄養価(1人分)>
エネルギー 150kcal/たんぱく質 10.1g/脂質 8.9g/食塩 0.6g/カルシウム 176mg

<作り方>
①卵を茹でてゆで卵を作る.出来たら,皮をむき輪切りにする
②大根、にんじん、水菜はお好みの大きさに切り、大根、にんじんはゆでる。
③にんにくをすりおろし、ドレッシングの調味料全てを混ぜ合わせる。
④お皿に①②を盛り,③のドレッシングをかける。

<ポイント>
・ドレッシングにヨーグルトを入れることでたんぱく質とカルシウムを補給
・オリーブ油は不飽和脂肪酸のオレイン酸が豊富で,悪玉コレステロールや中性脂肪を下げるといった健康効果がいわれてます,