食で応援! 運動能力アップごはん 第11回 パフォーマンス向上させる食事② ~試合前(1~3日前)の食事~
運動に取り組むお子さんをサポートするための、栄養やおすすめレシピをご紹介する連載です。
第11回のテーマは、パフォーマンスを向上させる食事②「試合前(1~3日前)の食事」
試合でよりよいパフォーマンスを行うには、試合前からの食事も重要です。
ポイントは「高糖質、低脂質、たんぱく質そのまま」の食事。
食材の選び方やおすすめレシピをご紹介します。
監修:中江祥子(管理栄養士)
試合前の食事は、「低脂質、高糖質、たんぱく質そのまま」!
試合でよりよりパフォーマンスを行うために、どんな食事をとるといいでしょうか?
試合期間の食に関する不安材料には
・緊張・興奮によって消化・吸収がされにくくなる
・食欲不振
・試合中のエネルギー不足(ガス欠)
・脱水が起こる
などがあります。
これらの不安を解決するために、試合前から食事に配慮する必要があります。
ポイントは、「低脂質、高糖質、たんぱく質そのまま」です。
①<低脂質> 消化の良いものを選ぼう!
・緊張で弱った胃にやさしい消化の良いものを選びます。
・野菜やご飯はやわらかめにして、油の多いものは控えましょう。
・揚げ物や脂肪の多い食べ物は 消化に時間がかかり、試合当日になっても胃がムカムカしてしまいます。
NG! 油の多い料理
揚げ物 ルウを使った料理(カレー、ハヤシライス、グラタン、シチューなど) マヨネーズ和え・焼き 中華のあんかけ類(中華丼、麻婆豆腐など) など
NG! 油の多い食材
ベーコン、肉の脂身 など
・お刺身や生卵も普段は大丈夫でも、緊張で胃が弱っているとおなかを壊してしまうことがあるので控えましょう。
・夕食は寝る3時間前までに終えるようにします。食事を消化するには3時間ほどかかります。食べ物が消化しきる前に寝ると 胃の働きが弱ってしまうので、寝る時間から逆算して夕食を摂ることをおすすめします。
・早食いをせず、よく噛んで消化を助けましょう!
②<高糖質> 食欲不振にならないために
・食べやすい味つけで調理しましょう。香辛料を活用するのもおすすめです。ただし香辛料を使いすぎると胃に負担をかけるので、食欲のそそる程度の量で使用します。
・補食を活用しましょう。食事だけでエネルギーを補えない場合は、目的に応じて補食を摂りましょう。
③<高糖質・たんぱく質そのまま> エネルギー量を確保する
・油が少ない料理ではエネルギーが不足してしまいがち。その分は糖質で補給します。ごはんや麺、パスタ、パンなどを多めに取りましょう。
糖質の摂取量が増えると、糖質の分解を助けるビタミンB1も必要になります。意識してビタミンB1(豚肉や大豆などに多く含まれています)も摂りましょう。
・肉、魚、大豆製品、乳製品をいつも通りしっかり食べましょう。
・副菜や果物もいつも通りしっかり食べましょう。
摂るべき食材・避けた方がよい食材
「高糖質・低脂肪・たんぱく質そのままの食事」の例
☆Point☆
・消化の良いものを食べる
・低脂質・高糖質・たんぱく質そのままの食事を心がける
「低脂質、高糖質、たんぱく質そのまま」のおすすめ夕食献立
おすすめ夕食例
・とろろかけ麦ごはん
・塩麹鶏と野菜のチーズ蒸し
・湯豆腐
・さつまいもとほうれん草の味噌汁
【ポイント】
・蒸し料理、ゆで料理にすることで、脂質を控えめにしました。
・いも類を使って、炭水化物を補給して、エネルギーを確保!
・生ものは避け、胃腸の調子を整える山芋を使いました。
・筋肉の収縮に必要なカルシウム、カルシウムの吸収を助け、疲労回復にも効果的なビタミンCを豊富に含む献立です。
糖質アップ主食
とろろかけ麦ごはん
<材料(1人分)>
精白米 90g
押し麦 10g
ながいも 10g
酢 少々
醤油 小さじ1/4
<栄養価(1人分)>
エネルギー 392kcal/たんぱく質 7.2g/脂質 0.9g/食塩 0.1g
<作り方>
①精白米と押し麦を合わせて炊く。
②ながいもはすりおろし、酢と醤油を合わせる。
③茶碗にご飯を盛り、その上にとろろをかける。
<ポイント>
・炭水化物を多く含む長いもで糖質UP。
・長いものねばねば成分は、胃腸の調子を整えてくれます。
主菜〈脂質↓〉
塩麹鶏と野菜のチーズ蒸し
< 材料(1人分)>
鶏むね肉 90g
塩麹 適量
じゃがいも 30g
キャベツ 30g
ブロッコリー 20g
にんじん 15g
スライスチーズ 1枚
<栄養価(1人分)>
エネルギー 287kcal/たんぱく質 24.1g/脂質 16g/食塩 1.2g/カルシウム 168mg/ビタミンB6 0.56㎎/ビタミンC 50㎎
<作り方・ポイント>
※詳しい作り方やポイントは、こちらで紹介しています。
https://cookpad.com/recipe/7013605
副菜〈たんぱく質〉
湯豆腐
< 材料(1人分)>
絹ごし豆腐 80g(1/4丁)
青ねぎ 適量
かつお・昆布だし 50ml
かつおぶし 適量
しょうゆ 適量
<栄養価(1人分)>
エネルギー 51kcal/たんぱく質 4.6g/脂質 2.5g/食塩 0.4g
<作り方>
①だしに豆腐を入れて加熱する。
②豆腐が温かくなったら、器に盛り、かつお節、しょうゆ、ネギを盛り付ける。
<ポイント>
・強火で加熱しすぎると、豆腐に”す”が入ってしまうので、加熱しすぎないようにしましょう。竹串で豆腐をさしてみると、豆腐が温まっているかわかります。
汁物〈ビタミン・ミネラル補給〉
さつまいもとほうれん草の味噌汁
< 材料(1人分)>
さつまいも 30g
ほうれん草 20g
にんじん 5g
うす揚げ 5g
味噌 8g
かつおだし 150ml
<栄養価(1人分)>
エネルギー 111kcal/たんぱく質 4g/脂質 2.1g/食塩 1.2g/カルシウム 63mg
<作り方>
①さつまいもはいちょう切りや半月切り、にんじんはいちょう切り、うす揚げは短冊切りにする。
②ほうれん草はさっとゆでて冷水にさらし、2㎝幅に切る。
③だしににんじん、油揚げを入れて加熱し、にんじんが柔らかくなったらさつまいもを入れる。
④さつまいもに火が通ったら、ほうれん草を入れ、味噌で味付けする。
<ポイント>
・さつまいものビタミンCはデンプンに包まれているので、加熱に強いのが特徴です。
・ほうれん草には鉄やカルシウムが豊富です。これらの栄養素はさつまいもに豊富なビタミンCが吸収を促進してくれます。
試合前(1~3日前)におすすめメニューのレシピ
汁物
しゃぶしゃぶにゅう麺
< 材料(1人分)>
そうめん 1束(100g)
豚肉スライス 80g
玉ねぎ 30g
大根 30g
にんじん 10g
青ねぎ 適量
かつおだし 200ml
塩 少々
しょう油 小さじ1/2
みりん 小さじ1/2
<栄養価(1人分)>
エネルギー 536kcal/たんぱく質 27.5g/脂質 9.3g/食塩 1.1g/ビタミンB1 0.74㎎
<作り方>
①豚肉は2cm幅、玉ねぎはスライス、大根、にんじんは細切り、青ねぎは小口切りにする。
②だしに豚肉を入れて火が通ったら、玉ねぎ、大根、にんじんを入れて加熱する。
③野菜が柔らかくなったら醤油、みりんで味付けする。
④③にそうめんを入れる。
⑤そうめんがゆであがったら塩を調節して入れ、器に入れて、青ねぎを添える。
<ポイント>
・高糖質、低脂質の一品です
・豚肉のビタミンB1は、糖質を燃やしてエネルギーに変えるときに助けてくれます。
・そうめんの塩分で味がつくので、塩は調節してください。
主食・主菜・汁物
豆乳味噌煮込みうどん
< 材料(1人分)>
うどん 1玉
鶏もも肉 50g
かぶら 20g
かぼちゃ 30g
白菜 30g
みつば 適量
かつおだし 100ml
無調整豆乳 150ml
味噌 10g
< 栄養価(1人分)>
エネルギー 416kcal/たんぱく質 21.1g/脂質 11.5g/食塩 2.1g/カルシウム 75mg
<作り方・ポイント>
※詳しい作り方やポイントは、こちらで紹介しています。