お米の話

ごきげんよう!スマイリー平野です。

いつも笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

さて、8月23日は、二十四節気で14番目となる「処暑」です。「処」とは止まる、留まるという意味です。暑さが少し和らぐころで、日中は蒸し暑い日が続きますが朝晩には涼しい風がそよぎ秋の気配が漂い始める時季です。

 そして、コロナ禍でも田んぼでは稲が育っています。古代の人々は「豊葦原瑞穂国」(とよあしはらのみずほのくに)と呼んでいました。「豊かに稲穂の実る美しい国」という意味です。笑顔会でお世話になっている三重県鈴鹿市の田んぼでは8月28日・29日に稲刈りを予定しているそうです。暦では、七十二候の末候「禾乃登」(こくのもの、すなわちみのる)の頃で、稲穂が膨らんで黄金に色づき実りの季節の訪れを告げています。

 最近では、お米が稲のタネ、実りの結晶ということを知り意識して食べている人も少ないような気がします。抗いようのない自然災害の中で収穫が出来ない飢饉が起こったのは、決して大昔のことではありませんね。現代では、お米の年間生産量を大きく上回る食品を廃棄しています。先日、開催されたオリンピックでもお弁当の大量廃棄が問題になりましたね。

 江戸時代は、米が通貨として役割も担っていて領地(加賀百万石など)・税(年貢)・給与(禄髙・切米・扶持など)もすべて米が基盤の仕組みで経済がまわっていました。

 全国のありとあらゆる土地の生産性は、玄米の生産髙をあらわす「石髙」(こくたか)で把握されていました。米一石は、江戸時代の大人ひとりが1年で食べるお米の量で約150kgです。(平成30年(2018)では54kgです。約150年で3分の1になりました。)

そして、当時は、米一石を収穫できる田んぼの面積が1反(1たん)でした。『1反(300坪)約991.74㎡(約1ha)です。』現在は、品種改良や農業技術の進歩により1haあたり534kgの玄米を収穫することができます。

 江戸時代の通貨1両=米一石=米150kgということとなります。玄米1kg=500円として1両=75,000円と換算できます。天下の台所と呼ばれた大坂(大阪)では、各領主が自家消費分を除いた米を販売する市場がありました。市場で米を換金して貨幣経済がまわっていました。各藩の経済力 イコール お米の生産力という時代でした。

 昔の人は、台風・旱(ひでり)・大雨などをもたらす自然に畏怖・畏敬の念をもって収穫に感謝していました。

 しかし、現在では食事のとき、食卓につくなり食べ物を一気にかきこんだりスマホを片手に食べたりしています。当たり前のように食べ物があり食事であることの意識が希薄になっています。食べられることに感謝して、よく味わい「ああ、おいしい」と喜ぶことで感動が生まれます。その感動があってご馳走がご馳走となって栄養となり命の糧になるものと思います。

 昨年から笑顔会でも畑作業を行うようになりました。お日さまと雨土が野菜を育てるお手伝いをしています。作業はとても大変で疲れますが、無事に収穫が出来て食べた人から「美味しかった」と言われたことに感動し遣り甲斐になっています。

 収穫の秋を迎えるにあたり、改めて「いただきます」「ごちそうさま」「もったいない」

「おかげさま」「ありがとう」の言葉の意味を考える機会にしたいものです。

 それでは、ごきげんよう さようなら