食で応援! 運動能力アップごはん 第15回 ~スタミナトレーニング~

運動に取り組むお子さんをサポートするための、栄養のお話しや おすすめレシピをご紹介する連載です。

第15回は、「スタミナトレーニング」がテーマ。

長時間の運動にはエネルギー補給が欠かせません。では、どんな食べものをとればいいでしょうか?

今回は スタミナトレーニングにおすすめの食事についてお話しいたします。

監修:中江祥子(管理栄養士)

トレーニングには エネルギー補給が欠かせません

運動のためのエネルギーを 長時間作り続ける持久力をつけるには、エネルギー源を筋肉に蓄えておかなければなりません

筋肉のエネルギー源が不足すると、スタミナ切れを起こして、運動パフォーマンスが下がったり、練習の質が低下して、ケガにつながることもあります。

試合前だけでなく、スタミナトレーニングをする際も、しっかりとエネルギーを補給して臨むようにしましょう。

運動のエネルギー源を蓄えましょう

筋肉に蓄えておくエネルギー源は グリコーゲンと言われます。

グリコーゲンのもととなるのは炭水化物です。

食事で摂取した炭水化物の一部は、グリコーゲンとして貯蔵されて、筋肉では筋肉が収縮する際のエネルギーとして使われます。

持久力が必要な運動をする際には、エネルギーを蓄えておくために、炭水化物を十分に摂ることが必要です。

食べものがエネルギーになる時間を意識しましょう

食べものが消化吸収されてエネルギーになるには、一定の時間がかかり、その時間は食品によって異なります。

運動開始時間から逆算して、食べるものを選ぶといいですね。

運動まで2時間以上空くときは通常の食事を。1時間程度ならおにぎりなど脂質を含まないものを。30分もない時は、ゼリーやドリンクを摂りましょう。

炭水化物にプラスしたい栄養素

炭水化物と一緒に摂りたい栄養素がいくつかあります。

下の表を参考に 組み合わせて摂りましょう。

栄養素働き食材例
ビタミンB群炭水化物を効率よくエネルギーにかえる豚肉、玄米、小麦胚芽、いわし、うなぎ、たらこ、大豆
マグネシウムビタミンB群の働きをサポートするあさり、しらす、枝豆、高野豆腐、納豆、きくらげ、干し椎茸、ナッツ類、ごま、ひじき
アリシンビタミンB群の働きをサポートする玉ねぎ、にんにく、にら、ねぎ
グリコーゲンを効率よく燃やす血液を作るレバー、牛肉、あさり、しじみ、ひじき、大豆製品、小松菜、かつお、まぐろ
クエン酸グリコーゲンの貯蔵をサポートする梅干し、レモン、いちご、グレープフルーツ、パイナップル、酢

スタミナトレーニングにおすすめのレシピ

<主食>糖質+マグネシウム+鉄
ひじきと高野豆腐のちらし寿司

材料(3人分)>

精白米 1合
砂糖 大さじ1
塩 小さじ1
酢 大さじ3
ひじき(乾) 小さじ1.5
干し椎茸 2枚
高野豆腐 1枚
にんじん 15g
枝豆 15g


砂糖 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
酒 大さじ1
だし汁 90g

いりごま 大さじ1
卵 2個
油 適量
紅生姜 適量

<栄養価(1人分)>

エネルギー 496kcal/たんぱく質 13.8g/脂質 7.3g/炭水化物 94g/食塩 1.7g/カルシウム 95mg/鉄 2.2mg/マグネシウム 50mg 

<作り方・ポイント>
※詳しい作り方やポイントは、こちらで紹介しています。
https://cookpad.com/recipe/print/7519915

<汁物>糖質UP
レンコンすいとん汁

< 材料(1人分)>

レンコン 40g
ながいも 10g
片栗粉 小さじ1
大根 15g
にんじん 10g
こんにゃく 10g
葉ねぎ 適量
かつおだし 150g
しょうゆ 小さじ1/2
塩 少々
酒 小さじ1/2

<栄養価(1人分)>
エネルギー 61kcal/たんぱく質 1.9g/脂質 0g/炭水化物 13.4g/食塩 0.9g/ビタミンC 23mg

作り方>
①レンコンと長芋は皮をむき、すりおろす。
②①と片栗粉を混ぜ合わせる。
③大根、にんじんは短冊切り、こんにゃくは1.5㎝程の千切りにする。
④だしに大根、にんじん、こんにゃくを入れる。
⑤野菜に火が通ったら、②をスプーンで落とし入れる。
⑥しょうゆ、塩、酒で味付けし、すいとんに火が通れば完成。

<ポイント>

・すいとんの固さは、②の工程で 片栗粉の量で調節してください。
・すいとんは小麦粉で作ることが多いですが、レンコンや長芋を使うことで、炭水化物だけでなくビタミンCや食物繊維も摂ることができます。
・ビタミンCは加熱に弱いですが、レンコンのビタミンCはでんぷんに覆われていて加熱しても失われにくいので ビタミンC摂取におすすめです。
・レンコンや山芋はすりおろすことで、消化しやすく、胃に負担がかかりにくくなります。
・だしに片栗粉を入れなくても、れんこんや長芋でとろみがつき、食べやすくなります。

<主食・主菜>糖質+ビタミンB1+鉄
豚肉と小松菜のたらこ炒めビーフン

< 材料(1人分)>

ビーフン 50g
豚肉 80g
小松菜 30g
玉ねぎ 20g
にんじん 10g
椎茸 1枚
水 大さじ2
たらこ 20g(小1本)
砂糖 小さじ1
しょうゆ 小さじ1
オイスターソース 小さじ1
油 適量

<栄養価(1人分)>
エネルギー 387kcal/たんぱく質 26.6g/脂質 10.0g/炭水化物 48g/食塩 1.7g/カルシウム 75mg/鉄 2.1mg/ビタミンB1 94mg/ビタミンC 23mg

<作り方>
①ビーフンは1/3~1/4くらいの食べやすい大きさに切るか折って、2~3分茹でる(ビーフンの袋の表示に従ってください)
②豚肉は3㎝幅、玉ねぎ、にんじん、椎茸は細切りにする。
③小松菜は3㎝ほどに切り下茹でしておく。
④たらこは薄皮を開いて身をとりだしておく。
⑤豚肉、玉ねぎ、にんじん、椎茸を炒める。
⑥火が通ったら、たらこを加えて炒める。
⑥ビーフンを入れて水を加える。
⑦小松菜を加え、しょうゆ、オイスターソースで味付けする。

<ポイント>
・ビーフンの炭水化物を、豚肉やたらこに多く含むビタミンB群、小松菜の鉄などで、効率よくエネルギーに変えます。

<副菜>ビタミンB1+アリシン+クエン酸
豚肉と新玉ねぎの梅肉和え

< 材料(3人分)>
新玉ねぎ 中1個
食塩 少々
三つ葉 1束
豚もも肉 90g
梅干し 1個
砂糖 小さじ2
酢 小さじ1.5

<栄養価(1人分)>
エネルギー 81kcal/たんぱく質 8.2g/脂質 3.2g/食塩 0.6g/ビタミンB1 0.31mg

<作り方>
①新玉ねぎはスライスして塩でもむ。
②三つ葉は2㎝幅に切る。
③梅干しは細かく刻む。
④豚もも肉は2㎝幅に切り茹でる。
⑤具材と調味料を合わせる。

<ポイント>

・豚肉に豊富なビタミンB1は 炭水化物がエネルギーになるのに不可欠です。
・玉ねぎに豊富なアリシンは、ビタミンB1の働きをサポートします。
・梅干しに豊富なクエン酸は、エネルギーを貯めるのをサポートします。
・旬の新玉ねぎは甘みがあり、今の時期におすすめの副菜です。

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