今日は八十八夜です

ごきげんよう!スマイリー平野です。

いつも笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

残念ながら3度目の緊急事態宣言が発出されました。昨年から続くコロナ禍でも季節は例年と変わらず巡っています。七十二候では末候の「牡丹華」(ぼたん、はなさく)にあたります。牡丹は「百花の王」とも呼ばれゴージャスで風格ただよう花姿です。

「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」といって女性の美しさを花に喩えて表現されています。芍薬も同じボタン科ボタン属で牡丹によく似た花を咲かせます。違いは芍薬が草で牡丹は木です。芍薬は、すらりと伸びた茎の先端に可憐な花を咲かせます。牡丹は枝分かれした横向きの枝に座っているかのようにグラマラスな花を咲かせます。百合はしなやかに伸びた茎の先に、うつむき加減に花を咲かせます。そして風に揺れる姿が優雅に歩いているように見えることからそのように言われています。

 花の咲く順番は、座って(牡丹)立って(芍薬)歩く(百合)となっていて、関西では奈良県桜井市の長谷寺で「ぼたんまつり」が開催される時季で見頃となり、有名な登り回廊に花を咲かせています。今年も緊急事態宣言下で行くことができないのが本当に残念です。

「四季燦々 伊賀」の畑で咲いたエンドウ豆の花も小さく可憐に咲いていましたが、10日ほどで鞘の中に実を付けています。連休中が収穫の時季となります。

次の話題です。今年は、5月1日が八十八夜となります。立春から88日目にあたる八十八夜は「八十八夜の毒霜」「八十八夜の別れ霜」などという言葉があり農作物が遅霜に襲われることが多く、遅霜を警戒するようにと暦に記されるようになりました。「夏も近づく八十八夜‥♬♪」で有名な唱歌「茶摘み」にも霜に警戒しながら家族総出で茶摘みをする様子が唄われています。八十八夜は日本茶業中央会が「緑茶の日」に制定しています。末広がりの八が重なり縁起の良い日とも言われています。

お茶の歴史は平安時代に遣唐使で中国へ渡ったお坊さんが日本に伝えたことから始まります。当時は貴族や僧侶などの限られた人々だけが口にすることが出来ない貴重なものでした。鎌倉時代に京都・伊勢・伊賀・駿河・武蔵で栽培されるようになり禅宗寺院で喫茶が広まり、武士階級にも浸透するようになりました。

 安土桃山時代に「侘茶」が創出されて千利休などによって「茶の湯」が完成し、豪商や武士によって日本文化の中心的な存在となりました。江戸時代に簡単にお茶を飲む方法として急須でお茶をいれる方法が中国から伝わり、一般庶民にも飲料としてお茶が広まりました。

 明治時代には、生糸とならぶ重要な輸出品となり世界中にお茶が飲まれるようになりました。戦後の1950年後半になってコーラや炭酸飲料などが普及し多様化が進む中で、急須でいれるという手間のかかる緑茶が生活から次第に遠ざかっていくこととなり、1975年頃から緑茶市場が急激に勢いを失っていきました。1980年代になり缶入りウーロン茶や緑茶が発売されるようになりました。それまでは家庭で急須にいれて飲むお茶が簡便性と携帯性を備えていつでもどこでも飲めるようになりました。さらに缶からペットボトルに移行してキャップが出来ることによって利便性もよくなり緑茶飲料がいっそう普及するようになりました。ペットボトル入りのお茶は1,200年の時を超えて逆に中国へも輸出されるようになっています。

 美味しいお茶には優れた効能があります。緑茶に含まれるカテキンは食中毒や口臭を防ぐ殺菌作用があることが確認されています。生もののお寿司にお茶(あがり)を合せる習慣があり昔からの知恵を感じることができますね。さらにカテキンには肥満予防や糖尿病の改善にも効果があると言われています。最近では細胞の老化防止の効果に着目されて緑茶成分を含む化粧品まで登場しています。

 また、「八十八」の字を組み合わせると「米」の字となり八十八夜に稲の種まきをすると秋にたくさんの米が獲れると言われているそうです。

 コロナ禍のゴールデンウィークで、不要不急の外出を自粛しなければなりません。家でゆっくり美味しいお茶を楽しむのもいいですね。

 では、ごきげんようさようなら。