桜色舞うころ🌸♬

ごきげんよう!スマイリー平野です。

いつも笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

さて、関西ではサクラ🌸が満開となり見頃を迎えていますね。コロナ禍ですが仕事で奈良・和歌山・京都に行くことがあり、沿道の山々や河川の堤防で華やかに春の訪れを知らせてくれています。

サクラの語源は諸説あります。「花の民俗学」櫻井満著では、サクラという名は穀神の宿る木をあらわしている。稲を植える月をサツキ(五月)といい、田植えに必要な雨をサミダレ(五月雨)、田に植える苗はサナエ、植える女性をサオトメ(早乙女)という。そうして田植えの終わりをサノボリといって田の神の祭りをする。こうしたことばが明らかなように、サというのは稲の霊の名である。クラは神藏(かみくら)のことである。その花は稲の霊の現れとみられるのだ。冬ごもりの生活から春を迎えて、山のサクラの咲きぐあいを見て秋の稔(みのり)を占い、その花に稲の霊を迎えてきてまつり、田植えをするのであった。サクラの花の咲きぐあいは一大関心事だったから「花見」の民俗が伝わるのである。

今年もコロナ禍で例年のような花見の宴を楽しむことはできませんが、心華やぐ季節を静かに過ごして神様を迎えましょう。また、この時季の食べ物に「サクラ」の冠がついています。

昭和に書かれたなつかしい「食物事典」(柴田書店1958年初版 山本直文著)から引用します。

さくらいり(桜煎り)・・・たこの足を薄く輪切りにして甘辛く煮つけたもので、多くは味噌をつかう。

さくらえび(桜蝦)・・・小えびで、相模灘でもとれるが、漁獲は主として駿河湾の富士川河口、由比、蒲原辺である。体は透明で淡紅色をしているから桜えびという。

さくらづけ(桜漬け)・・・八重桜の花の塩漬けで、普通桜湯を作る。おめでたのとき茶に代わる。

さくらだい(桜鯛)・・・桜の花が咲くころ、すなわち、4月ごろの市販の鯛をさしていう語で、鯛の種類ではない。別にそのころがうまいということもない。直江津辺の鯛だと5月ごろがよい。

さくらにく(桜肉)・・・馬肉の異名で、俗語では けとばし ともいう。日本では牛肉と馬肉を同一店で売ることは禁じられている。

さくらめし(桜飯)・・・桜茶飯ともいう。白米にしょうゆと酒を使って炊いたもので、現在(60年程前ですが)では単に、茶飯とも、きがら茶飯ともいう。

さくらもち(桜餅)・・・墨堤にあった長命寺の門番山本新六が考案したものといい、長命寺の桜もちが元祖であった。粉と白玉粉を主原料に砂糖を加えてこね粉を作り、小判形に薄く伸ばして、鉄板の上で焼き上げ、それであんを包み、それを塩漬けにしておいた桜の葉で包む。

僕が社会人になった頃に買った事典で、今はインターネットで何でもすぐに調べることが出来ますが、久しぶりに事典を引いてみました。その他に「サクラデンブ」、「サクラマス」などやこの時季限定でサクラ色をしたお菓子やスイーツを「桜味」と冠して販売していますね。

 そして、日が落ちて土手の桜並木や公園のライトアップされた桜の木の下で、宴会が自粛のコロナ禍です。サクラの他にこの時季に眺めてみるのが「おぼろづき」(朧月)ですね。朧月・朧月夜は春の季語にもなって風情を感じさせてくれます。朧月は霧や靄に包まれてかすんで見える月のことです。源氏物語に「朧月夜の君」が「朧月夜に似るものぞなき」と口ずさみ登場します。もやッと妖艶な美しさに光源氏も恋に落ちたようです。

最後に子どもの頃に歌った「朧月夜」でコラムを締めたいと思います。

「朧月夜」 作曲 岡野貞一  作詞 高野辰之

 菜の花畠(ばたけ)に 入り日薄れ 見わたす山の端(は)霞(かすみ)ふかし

 春風そよふく 空を見れば 夕月(ゆうつき)かかりて におい淡(あわ)し

 里わの火影(ほかげ)も森の色も 田中の小路(こみち)をたどる人も

 蛙(かわず)のなくねも かねの音も さながら霞(かす)める 朧月夜

 コロナ禍の夜にサクラと月を眺めながら中島美嘉さんの「桜色舞うころ」や「朧月夜」を聴いてみてください。なつかしい想いに涙がハラハラと頬を伝うかもしれませんよ。

それでは、ごきげんよう!さようなら。