世界一硬い食べ物!

ごきげんようスマイリー平野です。

いつも笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

各地で初雪の知らせが届く時期になり、今年もいよいよ7週間を残すばかりです。コロナの第3波が到来し、年末年始の行事も中止や縮小されるようです。来年に向けての準備も普段とは違った対応でしっかりしなければなりませんね。

 さて、漬け物、味噌と2週つづけて日本の発酵食品についてお話をさせていただきました。今週も引き続き「日本の発酵食品と健康について」お話をさせていただきます。

 今週は、世界一硬い食べ物で、和食に無くてはならない発酵食品とは? 答えは「鰹節」です。物体の硬さを数値で示す'モース硬度‘で表すと、鰹節は7.0~8.0ほどになります。

これは、宝石の水晶や翡翠とほぼ同じぐらいです。因みにダイヤモンドが一番硬くて10.0になるそうです。

 さて、いつ頃から食べられていたかというと約8,000年前の縄文時代の貝塚から鰹の骨が発見されています。また、5世紀の古墳時代には堅魚と呼ばれる干し鰹というものが作られていました。室町時代に「四条流包丁書」に´花鰹‘といる言葉が記載されており、これが干した鰹を削ったものではないかと言われています。現在のような硬い鰹節は、江戸時代に「焙乾」と呼ばれる鰹の燻し調理技術の改良が土佐藩(高知県)を中心に行われたことが鰹節の原点となっています。

 現在の鰹節生産量は、全国で28,712t(平成30年)ですが、そのうち鹿児島県が74.7%のシェアで21,436tを生産しています。鹿児島県枕崎市には48軒の工場があり14,000tと全国の50%を生産しています。2位が24.4%のシェアで6,994tを静岡県が生産しています。鹿児島県と静岡県をあわせると99%以上を占めています。因みに3位は、高知県で83tを生産しています。高知県は鰹の一本釣りで有名ですが、鰹節にせずに藁焼きのタタキで食べることが多いようですね。

 次に鰹節の作り方です。「日本の伝統 発酵の科学」中島春紫氏(講談社)から少し難しくなるかも知れませんが、引用させていただきます。(P236から)

 鰹節の製法

 鰹を解体し三枚に下ろして形を整える。大きなものは片身を背と腹に身割りして、男節(背側)と雌節(腹側)にする。煮立たせないように70~95℃に保って鰹の身を1時間ほど煮る。放冷して脂肪や骨を除き、この時点で約70%の水分を含む鰹の身を樫や楢の木の薪を用いて燻蒸する。1日に1回1時間ほど燻蒸して自然冷却し、1週間ほど繰り返して乾燥させたものが「荒節」であり、荒節を削ったものが「花かつお」である。約30%の水分を含む荒節は一見して鰹節らしく見えるが完成形でなく、発酵食品とは言えない。

 荒節の表面を削って汚れを除き、天日干しで乾燥させてから純粋培養した鰹節カビの胞子を噴霧し、閉め切った室に入れて2週間程度放置してカビを繁殖させる。カビは鰹の身から水分を吸い出すとともに、カビが生産する酵素がタンパク質や脂肪を分解し、旨味成分のイノシン酸やアミノ酸が生成される。カビをハケで落として日干しして風をあて、再びカビを付けて保存する。この操作を5~6回繰り返すと中心部から均等に水分が失われて、組織が緻密になって光沢を増し、銘木のように堅くなって、もはやカビがつかなくなる。

数か月から1年以上の熟成期間を経て水分が14%程度に減少し、「本鰹節」が完成する。

 手間暇かけた本鰹節は叩くとカンカンと澄んだ音がする。荒節とは一味も二味も違うコクと旨味を提供してくれる高級品であり、贈答品として用いられることも多いが、現在では鰹節削り器を置いていない家庭が多く、せっかくの本鰹節がカビの生えた不良品と思われて捨てられてしまうこともあると聞く。なんとも残念なことである。

 鰹節は75%以上がタンパク質で、グルタミン酸およびイノシン酸などの旨味成分を大量に含むとともに、ビタミンB群に富んでいる。食用として利用する際には、鰹節削り器(鉋)で削って削り節とするのが伝統的である。鰹節のもうひとつの利用法は出汁である。昆布出汁はグルタミン酸が主成分だが、鰹出汁にはイノシン酸が大量に含まれているので、相乗効果により旨味がいっそう引き立つ。これが食材の旨味を絶妙に引き出すので日本料理には欠かせない出汁である。鰹節を使いこなしてワンランク上の和食を楽しみたいものである。

以上引用

 自宅に鰹節削り器があって、鰹節を上手に保存して削りたてを豆腐やおひたしにのせると風味がまして一層美味しくなります。贅沢にお好み焼きやたこ焼きにかけるのもお薦めします。

 新型コロナウイルスの第3波が襲来しているようです。師走で忙しい時期ももうすぐですが、手洗い・うがい・マスクと3密を避けて感染しないよう気をつけましょう。

 こんな、コロナ禍ですが伊賀の畑では、野菜がすくすくと育っています。笑顔会ブログの四季燦燦のコーナーで出来具合を紹介したいと考えています。アップしたら是非ご覧ください。

  それでは、ごきげんようさようなら。