美しい大和言葉 その2

ごきげんよう!スマイリー平野です。

昨日(24日)は二十四節気の「霜降」(黒毛和牛のお肉は「しもふり」と読みますが、暦では、「そうこう」と言います)冷え込みがぐっと増し、北国や里山では朝夕に降っていた露が白い霜に変わる時季です。昨日も冷たい雨でだんだんに冬が近づいていますね。

さて、ラグビー日本代表が残念ながら南アフリカに負けましたね。しかし、目標のベスト8を達成し、頑張ることの大切さと多くの気づきと感動がありました。外国出身の選手が桜のマークと日の丸をつけたユニホームを着て君が代を斉唱していました。人口減少が進む中で将来の日本の姿があるように感じました。肌の色が違っても「大和魂」をもってワンチームになることは、人口減少が進む将来の日本の姿があるように感じました。今後もラグビー日本代表を応援したいと思います。

今週も「美しい大和言葉」のお話をさせていただきます。

さりげなく、普段づかいできる上品でその場に潤いを与える大和言葉です。

①「よい日和(ひより)ですね」

 「日和」は天気と同じ意味です。天気は漢語でやや硬い響きがありますが、日和は柔らかな日差しと穏やかな気温で心が和む感じがします。冬の初めに春のような暖かな気候を「小春日和」と言ったりします。また、「散歩日和」や「ゴルフ日和」など何かを行うのにちょうどいい天気という意味で複合語でも使えます。

②「このうえなく美味しい」

 いまや老若男女問わず口にする「チョー」という接頭語があります。「チョー美味しい」、もっと酷い言い方に「チョー、やばい」などの言葉がテレビで流れています。それより上がないという意味で、要するに「最高に」「最上に」ということです。

その他にも「得も言われぬ美味しさです」は、何とも言い表せない美味しさという意味です。「いたく」や「こよなく」も同じように「チョー」に代わる大和言葉です。「いたく感動しました」や「こよなく愛しています」といった言葉をここ一番に使うとインパクトがありますね。ただし、使いすぎると鼻につくので「とても」や「非常に」などの当たり前の言葉と使い分けると感じがよくなります。

ここからは、ちょっと大人の艶のある大和言葉です。万葉集の時代から日本人は大和言葉で恋を歌ってきました。やさしく寄り添う響きを感じることができますね。

思春期の娘さんがいらしたら教えてあげてください。

①「心を寄せる人」

 好きな人と言うより「心を寄せる人」と言えば、強く意識する人、自分の心が大きく動いて、ときめいている感じがします。「心を寄せる人」は「好きな人」よりも夢で出逢える確率も高そうですね。

②「思い初める人」(おもいそめるひと)

 一目ぼれを除けば、昨日まで何とも感じていなかった相手に今日はときめきを覚える形で始まるものです。恋心をもち始める異変を「思い初める」と言います。「初める」(そめる)は「書初め」(かきぞめ)や「渡り初め」(わたりぞめ)の「初め」と同じです。

 「以前から知っていましたが、思い初めたのは最近です」というように用います。

③「憎からず思う」

 恋心を表現するのに遠回しに言っています。そのまま受け取れば「憎くはない」ということになりますが、そうでなく「惹かれている」という意味になり、何となく乙女の恥じらいが感じ取れます。

④「相思い」(あいおもい)

 小学生の子どもの会話では、「両思い」と言っていますが、大和言葉には「相思い」があります。互いを深く思う二人の心理を表す動詞が「相思う」で、その名詞形が「相思い」「片思い」の対義語としてもふさわしい感じがするので使ってみてください。

⑤「しもたい」

 「しもたい」は「心に秘めている思い」のことです。誰にも明かしていない恋心を意味しています。「したごころ」は「ひそかな企み」という不純なイメージですが純粋な恋心を「しもたい」と言います。

⑥「焦がれ泣き」

 「焦がれる」とは、熱く思いすぎれば心が焦げていまいます。「恋い焦がれる」「待ち焦がれる」という言葉もありますが、「思い焦がれる」て「泣き焦がれる」のが「焦がれ泣き」です。

⑦「恋衣」(こいごろも)

 恋衣とは、恋人に会うときに着る着物ではありません。心から決して離れない恋の感情を身にまとう衣装に喩えた言い方です。

気温が下がってくるとインフルエンザやノロウィルスが心配になってきます。外出時のマスクの着用と帰宅時のうがいを心掛けて予防につとめてください。

それでは、ごきげんよう、さようなら。