美しい大和言葉

ごきげんよう!スマイリー平野😊です。

いつも笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。

さて、台風19号が日本に甚大な被害をもたらしました。河川が決壊し、住宅が水に浸かる映像に衝撃を受けました。犠牲になられた方の数も日を追うごとに増えています。りんごや苺などの農産物の被害も大きく報道されています。特に、長野市は仕事や旅行で何度も訪れ、篠ノ井線の姥捨駅から眺める千曲川の風景を今でも覚えています。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な生活が戻ることをお祈りいたします。

先週の月の話に続いて、今週は、大和言葉について書かせていただきます。

言葉は生きていて時代とともに変化するといわれています。とくに情報化社会が進んだせいか、勉強不足で本を読んでも英語をそのままカタカナで表記され意味が理解できないこともよくあります。また、日常会話でも知らないカタカナ語で言われると意味が通じず嫌味にとれてイラっとするときもあります。以前、インフルエンサーという言葉を知らず、インフルエンザと勘違いして話の内容が通じず、頭の中が???したことがありました。

 日本語の単語には、漢字とともに中国語から取り入れた「漢語」と中国以外から来てカタカナ表記をする外来語と自然豊かな日本の風土の中から生まれた「大和言葉」があります。古くから伝わる美しい大和言葉には、人の心をやわらかく包み込み、穏やかにさせる力があるとともに伝わりやすいという長所もあります。

私たちは時に応じて、言葉の持つニュアンスを醸し出そうと「しあわせ・幸福・ハッピー」などと使い分けをしていますが、ハッピーの日本語の意味をしらない人には上手く伝わりません。さらに、漢語は、同音異義語が多いことで知られています。「きしゃのきしゃがきしゃできしゃした」(貴社の記者が汽車で帰社した)という例もあり、正確な意思の伝達の妨げになることもあります。その点、大和言葉に言い換えるとわかりやすくなり電話などでのやりとりは特に顕著な例をあげてみます。

 「措置をお願いいたします」→「お取り計らいをお願いします」

 「送付いたします」→「お送りいたします」 

 「持参してください」→「お持ちください」

 「明日訪問します」→「明日うかがいます」

 「面会したいのですが」→「お目にかかりたいのですが」

 「明日、配布します」→「明日、お配りします」

など、目で読む以上に、耳で聞いた場合には伝わりやすさに大きな差があるように感じます。

日常会話で上手に使うとこころがなごむ食にまつわる大和言葉をご紹介いたします。

①「お口汚しですがどうぞ」

お口が汚れるだけの簡単で粗末なものという謙遜の意味で使われる言葉です。大皿料理や丼ものでは使えませんが、小品をお出しする際にピッタリの言葉です。

②「お口に合いますかどうか」

美味しいと信じる食べ物ですが相手はどう感じるか分かりません。グルメブームでマスコミに取り上げられると妄信し、他の人も絶対的に美味しいとする風潮があると感じます。緊張感をもって一言添えて薦めるのが賢明です。

③「お口直しにどうぞ」

苦いものや、まずいものを口にしたときに、別のものを食べて前の味を消すことをお口直しといいます。和食の献立にも食後のデザートにあたる茶菓や果物を口直しと書かれている処もあります。前の料理を謙遜して表現しています。

④「上置きはいかがなさいますか」

ラーメンには焼豚・メンマ・煮卵・ネギ、ピザには、シーフード・ベーコン・チーズ、アイスクリームには刻んだナッツ・チョコレートの具やソースを乗せることは「トッピング」といいます。少し値が張る和食店などでご飯や蕎麦に乗せる副食物をこのように尋ねられることがあります。和食の雰囲気を壊さず、食事が楽しめますね。最近、流行りの讃岐うどんのチェーン店でもトッピングと書かずに「上置き」というと天ぷらの味が上品に感じるかも知れませんね。ちなみに、味噌汁、吸い物、潮煮といった汁物に細かく刻んだねぎやおろした生姜、わさび、柚子の皮、練り辛子などを少しだけ乗せられていますが、これは「吸い口」といって、よい香りと見た目の美しさを増す役割があります。

⑤「腕によりをかけました」

よりをかけるとは、糸を何本かねじり合わせて一本にすることです。漢字で「縒り」と書きます。本来持っている力を何倍も束ねて意気込む様子を表しています。料理に関連して使うことが多く「腕によりをかけましたので、ぜひ召し上がってください」と言えば張り切って調理したご馳走ということです。

⑥「下ごしらえ」

学校給食でも「下処理」という言葉を使っています。会話の中では、「下ごしらえ」という大和言葉のほうが「おいしいものを作ろう」という意欲が湧くように感じます。「下」は「下見」「下調べ」の場合と同じで「前もって」という意味です。「下ごしらえ」に中で も、特に前もってゆでたり、煮たり、漬けたりすることに注目したのが「下ゆで」「下煮」「下漬け」「下味をつける」といって、焼く、炒めるといった調理を美味しくするためのひと手間です。

さりげなく大和言葉を使うことで、相手の気持ちをやわらかくさせ。そしてほんのり知性を感じさせることができますね。万葉集や百人一首など古くから伝わる和歌は、珠玉の大和言葉で綴られています。秋の夜長に勉強したいと思います。