「美味しく食べよう」
ごきげんよう!スマイリー平野😊です。
いつも、笑顔会ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、味と温度の関係についてお話をさせていただきます。「熱いものは熱いうちに。冷たいものは冷たいうちに。」と言われます。センター方式の学校給食では、温かい料理は、二重食缶(二重構造、二重蓋で保温性の高い容器)、冷たい料理は、コンテナの中の食缶に保冷剤を敷いて美味しく食べてもられるように工夫をしています。
まず、基本の五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)については、温度によって変わりやすいのが、甘味・苦味・旨味、変わりにくいのが塩味・酸味と云われていますが、塩味や酸味も日本料理やお酒の世界では温度に注意が必要です。
【酸味には温旨酸系・冷旨酸系があり、ワインの飲用適温、料理とのマリアージュには重要な要素で、知っていると一層美味しく食事を楽しむことができます。但し、お酒の話は番外として、別の機会にお話させていただきます】
それぞれの味を体験から説明すると、甘味では、糖分は、同じ缶コーヒーでも温めると甘さが増したように感じます。苦味では、フキノトウ、タラの芽などの山菜類、牛蒡などの根菜類の天ぷらは、揚げたてよりも冷めたほうがしっかり苦みを感じます。苦味は経験の味と云われており、総じて苦いのが好きな子供はいません。冷たい料理に苦みのある食材を使う場合は、原因になるアクをしっかり抜くこと、甘味や酸味と組み合わせるなどの工夫が必要です。【くさが古くなるとにがくなる。ニガイとクルシイは同じ字を書きます。辛酸、辛辣、辛苦など、過ぎたるは及ばざる如し、漢字の表現もおもしろいですね】次に、旨味ですが「冷めた味噌汁は不味い」ですね。温かい味噌汁はグルタミン酸などの旨味が「コク」や「まろやかさ」を感じさせますが、旨味を感じなくなり、冷める間に水分が蒸発し、塩分とのバランスが崩れて、味全体が台無しになります。塩味と酸味の味自体は温度による変化は大きくありませんが、その他の甘味、苦味、旨味とのバランスで感じ方が違います。【ぜんざいと塩昆布、西瓜に塩などは甘味と塩味のバランスの事例です】
学校給食では食中毒防止の観点から温度チェックを行っています。そして、児童・生徒が食事をする時間に、一番美味しいバランスを考えて味のチェックも行っています。このように安全で美味しい給食は、栄養教諭の先生や調理員の知識と経験と知恵と思いがこもっています。
昨今、一人暮らしの老人の「孤食」の増加や小学生まで「個食」、すなわち、自分の部屋でテレビを見ながら自分の好きなものを勝手な時間帯に食べるスタイルがふえる「食生活の乱れ」が味覚障害の誘因となっています。塾やお母さんの仕事のこともあろうとは思いますが、食に纏わる知識が家庭で美味しく楽しい食育の一端となり未来の子供たちの幸せに繋がることと考えます。拙い文章で恐縮ですが未来の幸せの一助になれば幸甚です。
最後に、昨日17日は阪神淡路大震災が起こって24年を迎えました。当時は大阪市内のホテルで勤務していましたが、宴会場のシャンデリアが落下し壁に亀裂が入る被害がありました。また、西宮に住む同僚の母親が倒壊した家の下敷きとなって亡くなったり、神戸のホテルマンが職を失ったりしました。そして、会社から炊き出しに行き、目の当たりにした神戸の惨状は、筆舌に尽くしがたいものがありました。毎日の食事や仕事があることを当たり前にせず、「ありがとう」の気持ちをもって過ごさなければならないことを思う日でした。